短編
□休日の昼下がり
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「………………………野分」
「はい、何ですか?」
「……暑いんだけど」
久しぶりに休日が合った俺たちは家でまったりしていて、俺は溜まっていた本を読んでいる。
……そしてなぜか、野分が後ろから抱きついている“野分イス”状態。
「俺は暖かいですよ」
「………いや俺が暑いんだけど」
「ヒロさんいい匂い」
野分は本当に犬みたいに俺の首の辺りに鼻を寄せている。
………というか、会話がかみ合ってねえ。
「俺の言ったこと聞こえたか?」
「同じシャンプーとボディソープ使ってるのに、ヒロさんだけ甘い匂いがします」
「………………」
野分はよく俺に向かってかわいいかわいい言うが、どうやら目だけでなく耳までおかしな具合になったらしい。
ついでに鼻も。
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