短編
□休日の昼下がり
3ページ/4ページ
「やっぱりかわいいです」
そう言って目元に口づけをされ、反射的に目をつむる。
目を開けると、鼻先が触れ合うほど近くに野分の顔。
「え、なにこの距離」
「ヒロさんを見てます」
「……………」
正面から抱き合って見つめあっている今の状況がいたたまれない。
おそらく、俺の顔は赤いまま。
―――この場合はしょうがない。
俺だって男だし、うん。
「野分」
自分に言い訳して、野分の首に腕を回す。
そして、俺からあと数センチの距離を縮めた。
外は快晴。
休日は、ベッドの上で過ごした。
end.