memo
□恋人はお姫さま!
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※後輩×先輩
全寮制男子校
幼稚園から高校まで男しかいなくて、しかも中学からは全寮制という環境で思春期の男たちはどうなるか。
正解は、
恋愛対象が男になる
でした。
もちろん全員ではないが、男同士で付き合う者も少なくないし、それに抵抗がある者も少ない。
そんな特殊な環境下で、衝撃的なニュースが全校を駆け巡った。
難攻不落、高嶺の花の代名詞だった麗しの風紀委員長様が、外部から入ってきた後輩とつき合いだした、というニュースである。
外部生が珍しい(わざわざ女子のいない監獄に入る者が少ない)上に、特待生の秀才だったから、そっちの意味でも有名だった一年生だ。
「―――って噂らしいですよ」
「あ?」
「……聞いてなかったんですか?」
呆れたように言いながらも、とろけるような笑みを浮かべ恋人を見つめる男。
只今注目度No.1の男、草間野分である。
「難攻不落の高嶺の花が、外部生の一年坊主の手込めにされたって噂です」
「………ダレの話だ」
「もちろんヒロさんの話ですよ」
なぜか晴れやかな笑顔で言った年下の恋人に、もう一人の渦中の人物、上條弘樹は渋面を作った。
「………何だそれ」
「俺はいい気分です」
なぜか得意そうな野分に、弘樹は首を捻った。
どう考えても野分にいい噂では無かったと思うのだが。
「変なやつ」
「だって夢みたいです」
後ろから抱き込まれて、弘樹は顔を赤らめた。
そんな様子もかわいいなあなんて、野分は恋人の髪に指を絡めた。
甘すぎて砂が吐けそうな雰囲気だが、昼休みの中庭である。
もちろん周りに人もいる。
弘樹は自分のことでいっぱいいっぱいだが、野分はもちろん周りの視線に気がついていた。
わざとベタベタしているのだ。
殊更に見せつけ、牽制するように、野分はぎゅっと腕に力を込めた。
そんな様子を見せつけられ、打倒・草間野分を誓いあう男たちがいた。
上條弘樹親衛隊こと風紀委員メンバー(あれ?逆?)である。
委員長を尊敬し溺愛して止まない風紀委員たちは、麗しの委員長にヘンな虫が寄り付かないよう、日々取り締まり目を光らせてきた。
おかげで今期の風紀は軍隊のようだと評され、歴代最強だとまで言われている。
お互い牽制しあい、目を光らせていた彼らを尻目に、草間野分が委員長と距離を縮め出したのが3ヶ月前。
赤くなりながら「付き合うことになった」と委員長直々に報告されたのが一週間前。
鬼軍隊(風紀委員)が茫然自失で機能停止をしたのは2日間だった。
校内でイチャイチャしている2人を見せつけられた彼らは“草間野分許すまじ”と更に結託し、軍隊度を増したのだった。
「隊長、草間野分が委員長の髪の毛を…!」
隊長こと風紀副委員長(あれ?ぎゃk)は鬼の形相で立ち上がった。
「……俺も触ったことないのに!」
「あっ隊長!委員長が笑顔です」
「くそっかわいいな…おい写真とれ」
「“悪態をつきつつも顔を赤らめはにかむ委員長”ばっちりです」
「焼き増し頼む」
「草間野分は編集で消します」
「あ!草間野分が委員長の頬にキキキキキスを…!」
「風紀を乱すやつは許さん」
「さすが隊長!!」
「いんちょー!!」
「えっ…お前いつからいたんだっ!」
「…………チッ」
「ん?野分何か言ったか?」
「いいえ」
「………草間くんには委員長が大変お世話になっているようで(人前でイチャつくな目障りなんだよ)」
「いえ、こちらこそ(恋人なんだからいいだろ)」
「……?お前ら仲良かったっけ?」
「「……………」」
笑顔の裏の攻防に気がついていないのは、原因である張本人ただ1人だった。
終劇!
ボツ理由…
ラブコメ風を目指したが無理があった。
ナイトたちに守られたお姫様と腹黒後輩の恋愛模様☆を目指したが何かズレた。
風紀委員たちがキモ…ごほっげほっ、…親衛隊の愛が重すぎた。
主張!
ヒロさんって風紀委員長が似合うと思う(`・ω・´)キリッ