FAIRYTAIL longstory
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「マスター・・・・。申し訳ありません」
ラナルはマスターの前で頭を下げた
「何故逃がした!?」
マスターは殺気を放ちながらラナルに聞いた。ラナルは頭を下げたまま『申し訳ありません』と繰り返した。
「何故逃がしたかと聞いている!!」
ラナルは『申し訳ありません』としかこたえられなかった。何故…それはラナル自身わからなかった。あの時、攻撃しようと思ったらできた。なのにしなかった。何でかは…わからない。体が動かなかった。それだけだ。だが…それは理由にならない。
「ラナルにぃだけを責めないでよ!」
ラナルの前にシャルダがラナルを庇うように立った。
「・・・・ラナル!お前には光竜の裁きがあるだろう!!ナツ・ドラグニルだけを追い出す事が出来たはずだ」
「ラナルにぃは・・・・光竜の裁きを一回使ってるんだよ!同じ日に二回も使ったら死んじゃう!!」
「だからなんだと言うのだ!?」
その一言でシャルダは信じられないと言う顔をした。ラナルは傷付いたような顔をしていた。
「そこまでにしてやれよ。マスター」
「ロイ?」
「お前はどこに行っていた!お前がいたら逃がさなくてすんだんだ!」
「こっちだって用があるんだ。なぁ、シャオロン?」
「そうですね。俺も用があったんですよ。」
「・・・・次に来たとき捕獲せよ」
「そんな事しなくてもいいですよ」
「グレイは俺の思いのままだ。」
ロイが言った。思いのまま…その一言が引っ掛かった、ラナルとシャルダ。言いたいことはあったが…二人とも何も言えなかった。ロイに漂っているオーラのようなものが追求するな…と言っているようだったから。
暫くの沈黙が続いた。だが、ルーシィを救出しに来たナツ達が沈黙を破った。
「ルーシィを返せ。」
そう聞こえた。だが…返すわけがない。人質を簡単に返したら面白くないだろう?とロイは思っていた
「ロイ、シャオロン。侵入者を捕獲せよ」
「嫌だね。めんどくせーし。」
「同感ですね。」
全く興味がないような顔で二人は言った
「それに、俺達は用があるんだ」
「ヒューマを一人置いてきていますしね」
そう言って二人は姿を消した。
そうしている間にナツ達は地下にきていた。
「ここくらいまでは調べた。だがルーシィはいなかった。」
「じっちゃんが言うには…行き止まりになったら壁を調べてみろって言ってたよな?」
ナツ達は一回ギルドに戻ってマスター、マカロフに事情を説明してからルーシィを助けにきた。
「あぁ。魔法で壁をつくっているのだろう。奥まで行っていないからわからないがな。」
「・・・・」
「グレイ?」
「なんだ?」
「いや…何でもねぇよ」
グレイは不思議そうな顔をしていた。直ぐに表情はかわったが。
「何か…くる?」
グレイがそう言った。何かが近付いてきていた。
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(何が…近付いてきている?)
(わからねぇ。だが…人間なのは確かだ。)