FAIRYTAIL longstory
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〜過去〜
『え!?デリオラがこっちに向かってるの?』
『そうみたいだ。どうするよ?逃げるか』
『今からじゃ間に合わないわよ!』
そう母親と父親が喋ってるのがきこえた。なんでデリオラなんかがくるんだよ。僕達が何をしたって言うんだ。母親達の会話を聞いていたシャルダは思った。シャルダはデリオラがどんな奴か知っていた。だからそう思ったのだ。シャルダは自分の運命を憎んだ。どうして自分が、シャルダはそれしか思っていなかった。
『お兄ちゃん?』
シャルダの足にしがみついていた男の子が喋った。シャルダの顔を見て不思議に思ったのだろう。シャルダの顔を見て返事を待っていた
「なに?」
『どうして…そんな顔をしているの?お母さん達が言ってるデリオラってやつを知ってるの?』
「知らないよ。」
シャルダは心配をさせないために嘘をついた。もう少し・・・時間が経てば無くなる命。何も知らずに死んでいった方が幸せだと思った。知っていたら辛いだけだ。恐怖に怯えるだけなんだ。だから言わなかった。否、言えなかった。
「シャール。寝ようか」
『うん!お兄ちゃん』
たった一人の弟だから。恐怖で今を過ごすより、楽しく過ごした方がいい。もうすぐで死ぬのだから
〜次の日〜
『もう駄目だわ…』
『シャルダ!シャール!こっちに』
「なに?」
『?』
父親に呼ばれシャルダとシャールは父親に近寄った。デリオラがきた。もうすぐでこの命は無くなるだろう。シャルダはそう思っていた。死に恐怖はなかった
『お前達は守る。入りなさい、結界だ。』
「結界?」
『この結界は母さんと俺の命だ。この結界が無くなった時は俺と母さんは死んでいる』
「・・・・」
シャルダは無言でシャールの手を引きながら結界の中に入った
『お父さん!』
『シャール。シャルダの言うことをちゃんと聞くんだぞ』
そう言ったと同時にシャルダ達の目の前は火の海となった。
『お父さん!?』
「シャール。駄目だ」
シャールが出ていこうとするのをとめた。それから…何時間か時間が経ち、デリオラはいなくなった。デリオラがいなくなった頃には結界も無くなっていた。結界が無くなったと言うことは父さんも母さんも死んだんだな。とシャルダは思った。
結界が無くなったというのに家から出なかった。それが・・・・悲劇をよんだ。上から家が崩れてきた。シャルダは助かったがシャールは頭を打っていた
『お父さん!お母さん!どこ?お兄ちゃん…どこ?』
シャールは目が見えなくなっていた。そして…頭から血が流れていてとても助かりそうになかった
シャルダはシャールを抱いて家から出た。出て、シャールを見てみたが…意識はなく、息もしていなかった。
「シャール?シャール!?返事してくれよ!?」
「もうその子は死んでいるよ。」
そう言ったのはシャルダの後ろにいた男の人。
「誰?」
「内緒。私とくるなら教えてあげるよ」
「?」
「家、燃えちゃったんだろう?私の家に住まないか?」
「良いの?」
「良いとも」
「行く!」
シャルダは男の人についていった。
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(シャール…)
(弟、死んだんですね)