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□後悔
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どうして…こんな事になったんだろう。ナツ…。なんで…お前は今、俺の隣にいないんだ。鬱陶しいくらい・・・・いつも俺にくっついて離れなかったくせに。なんで、いないんだよ。なぁ…ナツ。


〜昨日〜

「なぁ、グレイ!」

「なんだよ。」

「次の依頼、どれにする?」

いつもは聞かねぇくせに。なんで今回は聞くんだよ。気持ち悪ぃな。
と、思っていたグレイ。ナツはいつも誰にも聞かずに勝手に決めていた。討伐系が殆どだったからルーシィが家賃に困ることもなかった。だから、ルーシィはナツに任せっきりだし、エルザは基本なんでも良い、グレイもなんでも良かった。ナツが勝手に選んでくる依頼しか行ったことがない。でも、今回はナツが珍しくグレイに聞いていた

「いつもみてぇに勝手に決めろよ」

「・・・・・・・・わーったよ」

と言ってリクエストボードに向かうナツ。グレイはナツのさっきの無言がなにか気になっていた。

暫くして、ナツが依頼書を持ってマカロフの所に行って、許可をもらった後、ルーシィ、エルザ、グレイを集めてギルドから出た。列車に乗って、依頼書に書いてある目的地についた。依頼はいつも通りの討伐系

「ここらへんだと思うんだけど…」

「道に迷ったりしてねぇだろうな?」

「私についてきているんだから迷うわけない!」

妙に自信たっぷりのルーシィ。森に住み着いた奴をどうにかしてほしいっていう依頼だ。森の中だから迷う可能性はかなりある。ルーシィが先に進んでいって、後から三人と一匹がついていった。歩いて30分

「ま、迷ったかもしれない…」

「はぁ…。やっぱりな。どうする?」

「そうだな。夜になっているし…暗いから動くのも危険だな。ここで野宿か?」

「えー!?私は嫌だよ!」

「誰のせいでこんな事になったんだ?」

「・・・・」

「?」

「ナツ、どうした?」

「何か…いる」

ナツはまわりを見渡しながら言った。暗すぎて、グレイ達はわからなかった。微かに気配はしていたが、ここは森だ。普通に平和に暮らしている動物だと思っていた。

「動物とかじゃねぇのかよ?」

「違う。人間のにおいだ。」

「気を付けろ。いつ襲ってくるかわからないぞ。」

「うん」

皆、戦闘準備をした。そして、出来た時に襲ってきた。

「開け、処女宮の扉。バルゴ!」

「おしおきですか?」

「違う!コイツらやっつけて。」

「換装、黒羽の鎧!」

「火竜の鉄拳!」

「アイスメイク、ランス!」

皆が魔法をいっせいに使った。だが、まだ暗闇になれていなかったせいか、不利な戦いになった。戦いに夢中になっていて、皆バラバラになってしまった。ルーシィは近くにエルザがいて、二人で戦って、ナツはグレイと。

「クソッ。何人いるんだ!」

「においからして、だいぶ多い。」

「アイスメイク、フロア!」

「!?グレイ後ろ!」

ナツに言われて、後ろを向くと、敵が剣を振り上げていた。そして下げた。

「っ!?」

咄嗟に目を瞑って、腕でからだをガードした。でも、痛みはこない。恐る恐る目をあけると、ナツが剣に刺さっていて、敵は吹っ飛ばされたのかいなかった。

「グ、レイ。大丈夫、か?」

「人の心配する前に自分の心配しろ!」

剣は…ナツの心臓近くを貫いていた。グレイの魔法で、固めても、外に血が流れないだけで、中には流れていた。
敵は、ナツを刺したからか、大声でやったぞ!とか言いながらどこかへ行った。

「ナツ、ナツ。死ぬな、ナツ…」

「グ・・・イ。」

ナツは手を伸ばして、グレイの頬にあてた。

「ナ、ツ?」

「も、う…言えそうに・・・・ねぇ、から。今、言う。好、きだ。愛し…ゴホッ」

ナツが血を出した。

「て、る。グレイ…」

ナツがグレイの頬にあてていた手が落ちた。否、グレイが落ちる寸前で受け止めていた。

「ナツ?ナツ!ナツ!」

「・・・・・・・・」

「俺…何にも、伝えてねぇ…のに。死ぬなよ・・・」

「・・・・・・・・」

「ナ、ツ・・・・。」

グレイは何度も何度もナツの名を呼んだ。でも、返事はかえってこなかった。グレイはナツが死んだことを理解してしまったとともに…泣き崩れた。

「グレイ?」

エルザが暗闇の中から現れた。

「どうしたのだ?グレ・・・・ナツ?」

グレイの名前を言おうとした時に、倒れているナツを見付けた。

「グレイ…。何があった?」

「エルザ。無理よ。グレイが落ち着いてからきいたほうがいい」

と、エルザの後にいたルーシィが言った。

「そうだな…。グレイ、立てるか?」

グレイは無言で頷いて、立った。

「ここにいるのは危険だ。近くに家があった。誰も住んでいない。」

「そこに隠れましょ。」

「ハッピー。ナツを…連れてこれるか?」

「・・・・ぁぃ。」

暫く歩いて家が見つかった。その家に皆入った

「・・・・・・・・」

「ハッピー。見ていたのか?」

「ぁぃ」

「教えて?何があったの?」

「グレイを…庇ってナツが刺されたんだ。」

「・・・・」

「暗かったから・・・見えなくて、グレイは気付かなかったんだと思う」

「そうか…。ナツが…死んだから依頼はキャンセルだ。グレイも戦える状態ではない。ギルドに…戻るぞ。」

「だね…。ちゃんと、お墓もつくって…あげない、と。」

と言いながらルーシィは泣いた。

「私、ナツは…死なないって!絶対に死なないって…思って、た。馬鹿だよね…私。」

「ルーシィ…。そうだな。私も…思っていた。人間だからいつか死ぬ。それはわかっている。でも、こんなに早いなんて思っていなかった」

「ナツぅ!戻ってきてよぅ…」

「ハッピー。もう…無理だ。」

「エ、ルザ・・・・。」

「ギルドに戻ろう。マスターに報告しないと…」

「ぁぃ…」



これが昨日おこった事。今日はナツの葬式だ。グレイは行かなかった。否、行けなかった。足が動かなかった。自分の部屋にずっといた。でも、ナツとの思い出がありすぎて…涙が溢れた。


『グレイ。一緒に寝ようぜ!』


あの時は断ったけど、今なら…こんな事になるなら、一緒に寝てたら良かった。俺は、ナツに何にもしてやれなかった。ナツは俺に言葉でも行動でも、物でも・・・・なんでも俺にくれた。俺のほしい言葉をくれた。辛いときは黙って俺のそばにいてくれた。なのに…俺は…『好き』の言葉もナツに言えなかった。なにも…ナツに…

「ナツ…。ごめ、んな…。お、れ…。」

なんで…こんな事になったんだろう。なんで俺は…ナツに何にも言えなかった?ナツに何にも伝えてないのに。なんでナツ、お前は俺の前からいなくなった?戻ってきてくれよ。お前が俺の所に戻ってきてくれたら…お前の望む言葉、物、なんでもやるから。頼むから…俺を一人にしないでくれ…。

外が夜になってからグレイは外に出た。暫く歩いてナツの墓についた

「ナツ…。俺さ…お前に伝えなきゃいけない言葉とか色々あったんだ。でも・・・・お前が目の前にいたら言えなかったんだ。ごめん。今、伝えても…お前に届くかはわからねぇけど…いや届くよな。ナツ、よく聞いとけよ。俺は…ナツが好きだ。これからもずっと。ナツだけを愛すよ。」

その時、ナツの声がきこえた気がした

『ありがとな、グレイ。俺もだ』

って。届いたのかな。ナツ、ありがとう。
お前のいない世界で生きていくのは辛い。ナツが生きている時に伝えられたら良かったのにな。ごめん、ナツ。



後悔
(あ、グレイ!これ、持ってあげていて)
(ナツのマフラー?)
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