FAIRYTAIL longstory2

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「・・・・・・・・」

「なんだ?文字が浮かんできたぞ?」

浮かんできた文字は
『言い忘れてた。制限時間は一時間。一時間以内にグレイがこっちにこなければ全員死ぬことになる。』
と書かれていた

「・・・・・・・・」

「グレイ。」

「・・・・行く。アイツの所に」

「!?」

その言葉にギルド全員が驚いた。

「グレイ?嘘だよな?」

「嘘じゃねぇ。」

「な、んで…」

「なんでって?そりゃあ、ここにいる全員が死ぬより俺一人が死んだ方が良いだろ?」

「死ぬ?」

「あぁ。アイツの言う通りに動くわけねぇだろうが。」

「だからって死ぬ事ねぇだろうが!」

「それしか方法がねぇんだよ!」

「ある!絶対にある!」

「そうだよ、グレイ。」

ルーシィが言った。

「・・・・俺が死んだら、この無駄な戦いが無くなるんだ。俺が死ねば…」

「グレイさん!」

ずっと黙っていたウェンディが言った

「ウェンディ?」

「そんな考えおかしいです!!皆が喜ぶはずがない!!お願いです…考え直して下さい…。」

「ウェンディ…。これしか方法がねぇんだよ。これしか…。俺が死ぬしか、方法がねぇんだよ。」

「何、言ってるの?そんな事…言わないでよ!どうして?それしか方法がないの!?・・・・私は居てほしいよ。皆に出会わなかったら私はここに居ない。だから皆に凄く感謝してる。勿論グレイにも。だから・・・・これからも一緒に・・・・」

「ルーシィ…?」

「私からも言わせてもらおう」

「エルザ…」

「それがお前の選んだ道なら私は何も言わない。だが…皆の気持ちも考えてやれ。お前一人が犠牲になって助かっても誰も嬉しくなどないだろう。ギルド全員が助からなければ。だから・・・・お前も、グレイ」

「・・・・少し考えさせてくれ。」

そう言ってグレイは二階に上がって行った

「・・・・」

ナツも、無言でグレイの後を追った


「・・・・俺は、どうしたら…」

「グレイ。」

「・・・・ナ、ツ?」

「お前は、死にたいのか?生きたいのか?どっちだよ。」

「・・・・死に…」

死にたい、とこたえようとしが、ナツの目を見たらこたえられなかった

「正直にこたえろ。」

「生き、たい・・・・」

「・・・・」

「生きたい・・・に決まってる…。」

「なら生きろよ。」

「・・・・でも、」

「でも、じゃねぇ。生きてぇんだろ?生きてぇなら生きりゃあ良いじゃねぇか」

「・・・・」

「何が嫌なんだ?」

「俺のせいで皆が死ぬのが、嫌なんだ」

「誰もお前のせいだなんて思ってねぇよ」

「でも・・・」

「あー、もう!俺は、お前に生きていてほしいんだよ!」

「ナツ…」

「ルーシィ達も言ってただろ?グレイが死んで喜ぶ奴はこのギルドにはいねぇ。皆生きていてほしいって思ってる。」

「・・・・ナ、ツ。」

「安心しろよ、誰も死なねぇからさ。生きろよ、グレイ」

「ぅ…。」

ナツの言葉をきいたグレイは泣き出した。急に泣き出したグレイを見たナツはそわそわしたり驚いたりしていた。暫くしてナツは落ち着くとまだ泣いているグレイをそっと抱き締めた

「ナ、ツ・・・。お、れ…ナツ、と…皆と…ずっと一緒に、いてぇよ…」

「あぁ」

「死に、たくなんか…ない。」

「あぁ」

「で、も…ナツや皆が…死ぬのは、嫌な、んだ…」

「あぁ」

「ナツ…死な、ないよな?」

「勿論。俺は、俺達は死んだりしねぇよ。」

そう言いながらナツはグレイを抱き締める手の力を強めた

「ぅぁ…」

「俺達は妖精の尻尾の魔導士だぜ?そんな簡単に死ぬかよ」

「・・・・」

グレイは無言でナツの背中に手をまわした

「グレイ?」

「俺…ナツとずっと一緒に、いてぇ。」

「俺もだ、グレイ。ずっと一緒にいたい。」

ずっとなんて…無理なのに。いつか別れがくることが必然なのに。でも、今の二人にはそんなの関係なかった

「ナツ、ありがとな」

「ん?」

「俺と…いてくれて。お前がいなかったら…俺は、ここにいない。」

「グレイ」

ナツはグレイから少しからだを離して、グレイの顔を見た

「な、なんだよ?」

「グレイ。俺は絶対にお前から離れねぇし、離さねぇ。」

「あ、あぁ…」

「どんな奴がきたって、どんな魔法がきたってお前を守る。誰にも渡さねぇ」

「あぁ。」

「絶対に守るから、安心しろよ?」

と言って、グレイがなにかを言おうとしている時にナツはグレイにキスをした

「んっ!?」

「・・・・」

「ん・・・、な、つ…」

ナツはキスをやめた。そしてグレイから少し離れた

「な、つ…?」

「誓いのキスっての?」

「そんなの…いらねぇ」

「そっか?」

「あぁ…。」

その時、グレイの頭に声が響いた

――グレイ。やっと見付けたんですね

そう頭に声が響いたとともにグレイの足元から光が溢れだした。その光はグレイの足元から柱のように上にのびていた

「グレイ!?」

グレイに近寄ろうとしたナツの足元からも光が溢れだした。

「なんだよ、この光…」

その時、ナツの頭にもグレイと同じように声が響いた。

――グレイの力を封印するには貴方の力が必要です。グレイが心の底から信頼し、愛している…貴方が

そう響いた後、グレイとナツに集まっていた光は全部右手に集まった。

「な、なんだ!?」

光はグレイの右手に集まっている光とナツの右手に集まっている光を繋げた

そして、光は消えた

「あ、消えた。なんだったんだ?・・・・な、なんだこれ!?」

ナツは右手の甲を見て言った。そこには紋章が刻まれていた。妖精の尻尾の紋章とは違う・・・・全く別の紋章が。それはグレイの手にも刻まれていた。

「これ・・・。あの竜の目に刻まれていた紋章だ…。そして、俺の目にも。俺の力が覚醒した後は目に刻まれていた紋章は消えていた…。」

「ってことは?」

「これ、封印の紋だ。」

「・・・・ってことはグレイの力は…」

「封印、されたんだと思う」

「よっしゃあー!!」

ナツが喜んでいるときグレイの頭にはまた声が響いていた

――グレイ。今の封印は私が少し力を貸しましたが、次に封印を解いたら貴方達だけで封印するのですよ

「(わかった)」

――あ、滅竜魔法。少しは思い出しましたか?

「(あぁ。今思い出したよ)」

――そうですか。そろそろ記憶も…戻ってきていますね

「(あぁ)」

「グレイ!じっちゃんに報告だ!」

ナツはグレイの手を引っ張って一階に降りてマカロフの所に向かった


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(ナツの馬鹿やろう。氷竜と喋ってたのに…)
(ん?誰と喋ってたって?)
(お前には関係ねぇ!)
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