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□他人視点
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王都グランセル


迷子を拾った

西通りのコーヒーハウスでランチでもと思っていたら半泣きで座り込む男の子、職業柄放っとくワケにもいかず、昼食を諦めて遊撃士協会まで連れてきた


遊撃士協会 2階


「はいはい、いい子いい子」


「ひっく…、うう、ぐず…ぅ」


「ほらほら!、男の子でしょ、泣かないの!」


「ひっく……うあーーん!、あーん!」

「ああ…もう、えっと…ほらほら!、戦術オーブメントよ」

「うあっ………」


(よしよし)
「お名前教えてくれたら触らしてあげる」


「ひっく…、ユーゴ…」


「そう、お母さんかお父さんの名前はわかる?」


「お父さん……お母さん……ううう…ぐす…」


(しまったーー!)

ポロン ポロン


「ふふ、少年、顔を上げたまえ」


「…あんた」


「そして刮目せよ!泣く子も黙る、この伝説のリュートテクに!」


ポロン… ポロン、ポロン


「………」


「…ふっ、酔いしれたかな…」


「わー!」


「ちょっ、止めて!触らないで!コレは音楽家の命、いや!命より重い物!」


「わー!」
「……ZzZ」


「はあ…はあ、疲れて寝てくれたか…」

「…で、何であんたがいんのよ?…放蕩皇子殿」


「冷たい!、久々の再開なのに!」


「質問に答えなさい、あんたがリベールにいる理由」


「はっはっはっ、それを語るのは聞くも涙語るも涙の波乱万j「此処にいたのか……」


「あら、ミュラーさんじゃない」


「…お久しぶりだ、銀閃殿…」


「…おや?、僕と対応が違うような…」


「そうね、〈影の国〉以来ね、それで、どうして此処に?」

「……こいつがやらかした案件の後始末にな…全く…今回は流石に殺意が沸くぞ…」


「まあまあ、グラン・シャリネはもう許して貰えたじゃないか、…弁償して」


「ああ…、あの事ね」

「…まあそれはいい…」

「それよりもオリビエ、貴様…失望したぞ」


「…何の事だい?」

「惚けるな、子1人を作るだけで無く幼児になるまで放っておく…どこに弁解の余地がある?」


「………え?」


「貴様の私生活に干渉する気は無いが、恋仲からの一線を超えるのはいくらなんでも軽率ではないか?」


「…済まない、シェラザード殿、しかしこの馬鹿に責任を取らせるのは彼の宰相を倒すまで待っていただきたい」
「………」


「……シェラザード殿?」


「えーと、ミュラー?、誤解があるなら言っておくけど…」

「え、ええ、そうした方が良さそうね」

「?」




























「……済まない、ただの迷子だったとは…」


「ふっ、やっとわかってくれたわね」


「………そんな一生懸命否定しなくても……」


「貴方と奴がとても仲がよろしい様だっだったので勘違いをしてしまったな」


「!…いっ、いえ、誤解が解けたのならうれしいわ」


「…さて、そろそろ帰るぞ、オリビエ」

「あれ、もう時間かい?」


「ああ、そろそろ飛行船の出発する時間だ」


「そうか…、はぁ〜、やだな〜、帰りたく無いな〜」


「ほらほら、さっさと行きなさい、今度来たらアイナと3人でまた飲みましょう」


「……………ヤメテ…ヤメテ…オネガイ……モウソソガナイデーーー!!」」


「?、よく判らんが失礼する、その子の親探し頑張ってくれ」


「ええ、勿論よ」


「ほら、行くぞオリビエ」


「……はっ!、ではまた会おう、シェラ君!」


「ええ、お2人とも¨空の女神¨の加護を、…気をつけてね」


「お心遣い感謝する」


「はっはっはっ、ではさらばだ!」
























「……私とあいつが夫婦か……」


ガチャ


「シェラさん、此処に居ましたか


「エルナン?、どうしたの?」


「いえ、迷子の問い合わせがありまして、ユーゴ君といった名前ですが、その子ではないですか?」

「…ご名答、この子よ」


「では親御さんにギルドで保護している旨を伝えてきますね」


タッタッタ


「…ふう、見つかって良かったわ」


「グー、グー…」


「良く寝てる…」


グルルル


「……おなか減ったな…」


(早く来ないかな…親御さん…)





























「…なにか嬉しそうだな」


「ふっふっふっ、またリベールに来る楽しみが増えたよ)


「例のアイナ殿か?」


「……そ、それとまだもう1つあるのだよ」


「…まあ、どうでもいいがな」


「非道い…、まあ宰相殿を倒さなければリベールには来れないのだが」


「わかっているじゃないか、珍しいなお前が…」


「ふっ、まあね…」

(君の勘違いが間違いじゃ無くなるかもしれないね…ミュラー君)


「…薄気味悪い奴だ」


「だから非道いっ!」



























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