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□また違う関係
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月末の金曜日
赤毛の遊撃士、アガット・クロスナーがラッセル家の夕食にお呼ばれしている日
ツァイス市 飛行場
「…3時か、ちっと早えな」
(5時頃に来いっつわれてるしな、少し顔出して掲示板の仕事でもやっかな)
(いや、エリカ・ラッセルがいたら面倒くさえしな、やっぱり時間通りに……)
(……………)
(まあ、挨拶ぐらいなら何も問題は無えか……)
ラッセル家
「…邪魔するぜ」
「おお!不良青年!」
「ア、アガットさん!?、まだ早いですよ?」
「あ?、定期船の時間が無かっただけだ、取りあえず顔だけ出しに来た……って、エリカとダンは…居ねえのか?」
「おお、奴らならロレントの工房に出張中じゃ」
「…ダンには挨拶しておきたかったんだがな…、ま、んじゃ時間まで仕事してるからな、馳走になるぜ」
「あ、あの、おじいちゃん……」
「おお…頼んでみるかの…」
「あん?、どうした?」
「えーと、エルモ村まで一緒に行ってくれませんか?」
「あ?」
「実はエルモ村の湯沸かし機の調子が悪くての、それにティータが修理に行くことになったんだがの……」
「…なにかあったんだな…」
「察しがいいの、いやなに、頼んだグラッツの奴に緊急の仕事が入っただけじゃ」
「ん?てことは依頼は出してあったのかよ?」
「あ、はい、でもグラッツさんが来れなくなっちゃって…」
「…まあ、いいか……、要はエルモまで安全に連れてきゃ良いんだろ」
「おお!、助かるわい」
「あ、ありがとうございます!」
「……あ、飯はどうすんだ?時間結構半端になるぞ」
「あ、どうしよう?おじいちゃん?」
「ふむ、なら、グラッツの仕事が終わったらわしもエルモに行こうかの、そこで飯を食う事にしよう」
「…なんなら2人纏めてでも構わねえぜ?」
「生憎わしはまだ仕事が残っていての、先に行っておれ」
「あ、判った」
「じゃ、おじいちゃんも後でね」
「おう、気をつけるんじゃぞ」
エルモ村
「よく来たねぇティータ、あんたもご苦労だったね」
「えへへ…、こんにちは」
「ああ」
「早速で悪いんだけど、修理頼めるかい?」
「うん、任せて!」
「悪いねぇ、で、あんたはどうすんだい?」
「…やる事も無いしな、何か手伝うか?」
「あ、お、お願いします!」
「それじゃ、お願いね」
「…ポンプは……うん、こっちは……」
(………………暇だ………)
(……力仕事なら出来ると思ったがよく考えたら力仕事は必要ねえな)
「スピライザは…、うーんと、導力圧に異常があるのかな?」
(……………)
(下手に口出さない方がいいか……物凄く楽しそうじゃねえか…)
「♪〜、♪〜」
(……やべぇ、なんか眠くなってきやがった…)
(寝るな、寝るな…寝るな……寝、るな…………寝る……な)
「……よし、終わりましたよ、アガットさ…ん?」
「…がー、くー…」
「寝てる…?」
(う〜ん、起こした方がいいのかな?、……でもすっごい熟睡してるしなあ……)
「くー、がー……」
「………」
「遅いのお…」
「全くだね……様子見に行くかい?」
「そうじゃのお、行ってみようかの」
ガチャ
「お〜い、ティータ〜、赤毛〜…ん?」
「どうした?…あらあら」
「…がー、がー…」
「くー、むにゅー……」
「あらあら、仲がよろしいようで」
「はっはっは、全く子奴らは」
了