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□エステル改造計画〜自覚〜
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「………ごめん、失敗しちゃった…」


テーブルの上に並べられた物は、過去にも例がない程の凄惨な物が並べられていた


「……た、たまにはこんな事もあるよ…」


「そ、そうよエステル!見た目は…アレ…だけど、味は判らないじゃない!」


運悪く、今日は偶々、先輩遊撃士のシェラザードが来ていた

主菜であろう大皿に盛られた肉は何を入れたのか刺激臭を放っている


スープの色は薄く茶色に濁っていてゲル状の物も含まれてしまっている


一番悲惨なのは小皿に盛られた塩辛とマリネを合わせて2乗した様な物体


まともなのはサンドイッチとシェラザードの持参したおつまみである



「残してもいいからね?」



ここでエステルが開き直ってくれればクレームの1つでも言えるのだけども、本人が失敗を理解している為、文句をつけれるはずがない


「(シェラさん…)」

「(ええ……)」



ここで残してしまえば、彼氏として、先輩としての名折れである
2人は覚悟を決め、目の前の最強の敵に挑んでいった

















「はあ……はあ…」

「勝った……!」


満身創痍の2人
3人分の空いた皿がその勝利を称えていた


「あたしの分まで食べなくても良かったのに……」


「食べ物は…粗末したら…駄目だからね…」


「一座時代に…その土地の郷土料理で鍛えた胃袋が…初めて役立ってくれたわ」

「はは…」


「それじゃ、そろそろ失礼するわね、お酒はまたの機会にするわね」


「はい、夜道気をつけて下さい」


「今度はマシな物作るからね!」


「ハイハイ、期待してるわ、それじゃあね」


ガチャ バタン


「………」


「さてと…」


「ヨシュア…」


「ん?」


「…ごめんね、料理得意じゃなくて…」

「どうしたの?急に?」


「ちょっとね、自信無くしちゃったかな…」


「仕方ないよ、人には得意不得意があるからね」


「でも…」


「料理が失敗したくらいでクヨクヨするなんてらしくないよ、大丈夫、いつかは出来るようになるし、出来るまで僕も付き合うからさ」


「…うん」


「それに…」


「?」


「しょげてるエステルも見てて楽しいし、可愛いからね」


「……あんたはまた真顔でそういう事を…」


「思ってる事を言っただけだよ」


「…だからタチが悪いのよ」










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