U

□初めての
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「…リアさん、……さん………て……下さい」



微睡む意識の中、凛と響く可憐な、鈴を転がすという表現をそのまま体現したような声が鼓膜を揺さぶる


「…アさん、………ですよ、……起きて……」



ああ、そうか、わざわざ起こしに来てくれたのか、そういえば昨日は確か城に泊まり込んでいたな


だんだんと覚醒していく意識の中、聞こえてくる言葉を噛み締めるように脳に染み込ませる



「もう……早く起きて下さい、さもないと……」



さもないと、まさか貴女からそのような言葉をかけられるとは、完璧に目覚めた意識の中、これから貴女が行うであろう行動を柄にもなく胸が踊るような気持ちで待っている



「…さもないと………























デュナン小父様になっちゃうぞー!わははははは!フィリッープ!ドーナツとビールを買ってこい!3分以内だぞ!」



















「うわぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁ!!!!!!!」

〔ガバア!!〕


「…はあっ…!、はあっ…!はあっ…!…」


悪夢も悪夢、まさに天国から地獄、自慢出来るほど大した長さを生きていないこの人生の中でもかなり上位に入る程の衝撃だった


「……はあ…夢で良かった……」


夢で良かったと安堵の溜め息を吐き出し、そういえば昨日は泊まりがけで書類整理に追われていたと思い出しながら備え付けのベッドから這い出そうとした時に


〔コンコン〕

「ユリアさん、クローディアです、お目覚めですか?」


「…………!?」



正夢、予知夢という言葉がよぎる、いや、まさか、しかし、そんな筈は…



「ユリアさん?、お目覚めですか?」


〔ガチャ〕



「………あ……」


「あ、お目覚めでしたね、昨日は遅くまでお仕事お疲れ様でした」


「…………………」


本気で自分が馬鹿みたいに思う、切実に

まさかこんな…死ぬほど恥ずかしい…あんな下らない夢に本気で狼狽えているなんて、王国軍の恥もいいとこだ



「…ユリアさん?何処か具合でも悪いんですか?顔が真っ赤ですけど…」


ちょっと待って下さい、近寄られても今は羞恥で貴女の顔を見ることができない


「……更なる精進をお約束します」

 
「………はい?」



その後に思い切って全てを打ち明けてみたら、大した長さを生きていない私の人生の中今まで見たこともないほど笑い飛ばされた











 
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