□病人の特権
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早朝  特務支援課


「38度9分……高いわね…」


「本当だ…」


「ちょっと洒落になんねえな…」


「……ごめんなさい…皆さん……」


「まあ仕方ないな、治るまでゆっくり休んでくれ」


「……わかりました…」









〜ミーティングルーム〜


「さてと…今日はどうする?」


「休ませるにしても1人にするわけにもいかねーし仕事してる間ティオ助を看る人間が必要だよな」


「あ、だったら私がやるわ」


「エリィ、助かるよ、後はキーアだな…」


「あ〜、キー坊か…感染すワケにもいかないしな…」


「バウッ!」


「うわ!?、ツァイト!?、どうした?」


「バウッバウッ」


「……もしかして、ツァイトがキーアを見といてくれるのか?」


「ワフッ」


「おお!、頼もしいねえ」


「これで心配は無くなったわね」


「ああ、みんな今日1日頼むぞ」


「おお!」「了解!」「バウッ!」




















「行ってきまーす!」


「おい、早く行こーぜ!」


「ちょっとリュウ、落ち着きなよ…」


「バウッ!」


「行ってらっしゃい、気をつけてね」


「はーい!!」















「……行ったわよ」

「ふう、なんとかバレなかったか…」


「…スミマセン…ロイドさん………ケホケホッケホ!」


「…でもいいのかティオ助?」


「ええ…余計な、心配を掛けたくない…ですから…」

「必要だと感じたら…自分から打ち明けますので…」


「そうか…」


「ほらほら、ティオちゃんは私に任せて、あなた達はしっかり仕事してきなさいよ」


「ははっ、了解」


「んじゃ、行ってくるぜ」


「何かあったら連絡を頼むよ、それじゃ」


ガチャ バタン


「…さてと、取りあえず何か食べなきゃね、ちょっと待ってて、お粥作ったくるから」


「はい…お願いします…」





30分後



「お待たせ〜、…あら?」


「…すー、……すー」


「寝ちゃった……?」


「…んん、…すー、…すー」


「……取りあえず、台所に戻してこよう…」



「……くー…」


「……やっぱりまだ寝顔は子供ね…」



「この間にやる事やっちゃうかな…」



「うん……ううう……!…ああ…!」


「……ティオちゃん?」


「お願い……止めて、止めて……!」


「ティオちゃん!?」



「!、………」



「あ…、ごめんなさい、起こしちゃった?」


「………」


ギュッ


「え……?」


「うぁ……うう…!、ひっく!……ああ…!」




















「ティオちゃん…… 落ち着いた?」


「……は…い」


スッ


「……大丈夫?」


「……ごめんなさい…」


「いいのよ…それよりどうしたの?」


「……〈施設〉の夢を…」


「たまに…、体調が悪い時が特に、夢に出るんです…」


「その都度、この様で……、あの…本当にごめんなさい…」

「……1つだけいい?」


「…なん、でしょう」


「さっきみたいに、誰かに頼ったりは今までしたこと…ある?」


「いえ…、初めて…です」


「そう…」

「ねえティオちゃん?」


「はい」


「私達はね、もっと甘えてほしいのよ」


「……え?」
「ティオちゃんは何でも1人抱え込んでるの」


「そんなに大した事は出来ないけど…さっきみたいに怖い夢を見たときぐらいならいくらでも傍にいてあげるから…」


「…仲間だから…ですか?」


「ええ、だから…ね?」


「……わかりました…頼りにしてます」

「それより……少しお腹がすきました」

「あら、食欲出てきたわね、待ってて、お粥温めなおすから」


「はい」


タッ タッ タッ



























「…ロイドさんといい……お人好し過ぎです…」


(仲間……ですか)













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