□聖夜の特務支援課
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「なあキー坊」


「なーに?ランディ?」


「サンタクロースって知ってるか?」


「さんたくろーす?」


「ああ、サンタクロースだ、サンタはな、いい子にしてるとクリスマスの夜に現れて欲しい物を1つくれるんだ」


「欲しい物?」


「そっ、何でもいいんだぜ」


「おー!、スゴいねーさんたくろーす!キーアの所にも来るかな〜?」


「はっはっはっ、いい子にしてたら必ず来るぜ〜」


「どうしたらいい子になれるの〜?


「そうだな…、沢山手伝いでもしてればいい子かもな」


「………、判った!キーアいい子になる!」























12月23日


「ロイド〜?何か手伝う〜?」


「お、偉いなキーア、ならテーブルを拭いてくれるかい?」

「りょうかーい!」










「あ!、エリィ!、買い物行くの!?」


「あらキーアちゃん、うん、行ってくるわよ」


「ならキーアもついてく!お手伝いするよ!」


「え?、でも外寒いわよ?」


「大丈夫!」


「そう?なら上着を着ないと、手袋もしないとね」


「はーい!」
















「ねえねえティオー?」


「なんですか?キーア?」


「なんかお手伝いする事ある〜?」


「いえ、特に何もありませんね」


「え〜、何にも無いの〜?」


「ええ、特に無いですね」


「ぶ〜、つまんないな〜」


「まあ、何かあったらお願いしますね」

「はーい!」



















その夜


「それじゃお休みなさーい!」

「ワォン!」


「お休み、キーアちゃん」


「今日はツァイトと一緒ですか」


「腹出して寝るなよー」


「風邪引かないようにな」


ガチャ


「……、さて」


「ええ…」


「始めますか…」


「ああ…」


「よし…これより最後の作戦会議を行う」


「こっちは上手くいったぜ、サンタの存在を疑っていない」

「こっちも欲しい物が判ったわ、……みっしぃのぬいぐるみよ、予定通り取り置きしておいたわ」


「みっしぃですか…定番ですね」

「よし…あとは課長だな…」


ガチャ


「…おう、やってるな」


「課長、お疲れ様です」


「それで、ありましたか?サンタ服?」

「おう、去年忘年会の余興で使ってたやつがあったぞ、サイズはXLだから大丈夫だろ」


「おお、いい感じだな」
「で、他は決まったか?」


「ええ、プレゼントも決まりましたし、料理の方もロイドさんが気合い入れて作ってました」


「仕込みは終わりましたから後はすぐにできます、ケーキはエリィが作ってくれます」


「ふふ、ケーキなら得意だから安心して任せてちょうだい」

「で、サンタは俺か、寝てる間に行くんだろ?着る意味あんのか?」


「見られた場合の保険っすよ、課長」


「…まあいいか、んじゃ、浮き足立って明日の勤務に支障が出ないようにな」


「了解!」「ええ!」「判りました」「うっす!」
























12月24日 夜


「さて、これで準備は完了だな」


「ええ、1度まとめて確認してみましょう」


「えーと、まずはキーアちゃんが寝たのを確認してからよね」


「それから、サンタ課長が侵入、ブツを置いて完了、簡単だな」


「…それで、俺がそれを着る意味はあるのか?」


「キーアが起きた時のカモフラージュです、もし起きたらそれらしい事を言って凌いで下さい」


「…まあ、いいだろう、それよりもそろそろ帰ってくるんじゃないのか?」

ガチャ

「ただいまー!」


「バウッ!」


「あら、お帰りなさい」


「ただいま!、はい、頼まれたジュースとお菓子!」


「ご苦労様です」


「さ、まずは手を洗いましょう、その後にご飯にしようね」

「はーい!」


ガチャ ジャーー!


「さて…みんな頼むぞ」


「おう!」「はい」「ええ!」「ああ」「バウ!」



















「「「メリークリスマース!」」」


「…む…、ロイドさん腕を上げましたね」


「ほんと…美味しいわね」


「さて、俺らは飲みましょうぜ!課長!」


「まあ、程々に付き合ってやるか…」


「美味しいねー」


「あっ、ほらこぼしてる!…って、ランディ!、キーアに酒は駄目だ!」

















〜30分後


「ふう、食った食った」


「ご馳走様です、ケーキも美味しかったですよ」


「あら、ありがとうね」


「それじゃ、風呂入るか、キーア」


「はーい!今日はロイドと一緒〜!」


「あ!、ズルいロイド!」


「抜け駆けは見逃せませんね」


「じゃあ、みんなで入ろー!」


「…任せる、エリィ、ティオ」


「…ええ」
「判りました」































「……それじゃお休み〜」


「ああ、お休み」


ガチャ バタン


「さて…、大体2時間後に開始かな」


「おう、それまでに飲んでようぜ」


「…俺はパスだ、酔ってミスったら困るからな」


「なら、俺が」


「私も付き合うわ」

「?、ツァイト、どこに行きますか?」

「ガウ」


「市内の巡回…、判りました、気をつけて」


「…バウ」



















〜2時間後


「頼みましたよ課長」


「まあ、任せろ」


「それにしても課長、似合いますね」


「あまり嬉しくは無いな、…んじゃ、行ってくる」


「健闘を祈るッス」

…キィ…


「「「「………………」」」」


カチャ


「……、成功だ」


「お疲れさんッス、」


「後こんな物があった」


「手紙…サンタに宛てられてますね」


「ちょっと借して、読んでみるわ」


「えーと…、」


「…………」


「…サンタさんへ、みんなとキーアを、ずっと一緒にいさせて下さい……」


「…あれ?、おかしいな…アラウンドノアが…」


「…全く、あの子は…」


「泣かせてくれるな〜、キー坊」


「…ほんとに…、あの子ったら」


「…感動してる所悪いが早く寝ろ、明日も仕事だ」


「そっすね、じゃ、俺は風呂入ってきまーす」


「流石に、眠たいです、お休みなさい…」

ガチャ タッタッタッ


「……お前らは?」

「ああ、俺は後片付けしてから休みます」


「私も手伝いを」


「そうか、んじゃ、なるべく早く休めよ 、それじゃな」


ガチャ


「…エリィも休んだ方が良くないか?」

「大丈夫よ、ちゃっちゃと終わらせましょう」


「でも…」


「いいから、早く終わらせましょ、そしたら早く休めるから」


「…判った、頼むよ」


「そうこなくっちゃ!」










「ふう、お疲れ様」

「ええ、お疲れ」


「「………」」


「あの…エリィ」

「…なに?」


「あ、いや、その… …コレ……クリスマスの…」


「…いいの?」


「うっ、うん、大した物じゃないから!、安物の髪留めだから!」


「そ、それじゃ、お休み!」


「………」


(…意気地無し……!…)
















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