零
□おさけ
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「警察のお偉いさんからこんなの貰った、お前等にやるよ」
「んで、オッサンがくれたのが………コレだ」
〈火酒・昇竜〉
「東方の酒?聞いたこと無いわね」
「俺も無いな、凄い名前だな、辛そうだ」
トテトテ
「なーにーそれー?」
「キーア、それはお酒といいます、不味いですから飲まない方が良いですよ」
「不味いのー?」
「ピーマンより苦いです」
「えー、なら飲まなーい」
「ははは、ティオ助もまだ子供だな」
「そんな不味い物を飲めなきゃ子供なら私は子供で良いです」
「あ、ティオ?」
「何でしょう?」
「この酒の情報データベースで調べられる?」
「お安い御用です………アクセス……」
「………」
「…出ました、東方で作られたウォッカ、アルコール度数は57%です」
「「「57ぁ!?」」」
「何をそんなに…高いんですか?」
「少なくともオレの見た中じゃ最高かな…」
「私もコレは…ランディは?」
「…1回40の酒を飲んだ事がある…」
「どうだった?」
「味なんか何も判んねえよ、飲んだ瞬間に喉が灼けるように熱くなったな、安物だったから半端に残って喉が次の日悲惨だったわ」
「それは…」
「あのランディですら…」
「何の話ー?」
「まだ私達には早い話しですよ」
「…誰か飲む勇気有る奴いるか?」
「オレそこまで酒強くないし…」
「私はあんまり好きじゃないし…」
「ふむ……なら、ティオ助どうだ?」
「………先程の話を聞いて私が飲むと思いますか?」
「いやいや、ほんの一口な?」
「ちょっと!、ランディ」
「コレが出来たら大人の仲間入りだな?」
「おいランディ…」
「…そんな文句に引っ掛かるとでも?」
「ははは、流石にお子様にはキツいか、お子様には」
「当たり前でしょうに……」
「俺達でも飲めないのにな…」
「…待って下さい」
「ん?」
「…一口…頂きます…」
「お?」
「あそこまで馬鹿にされたら、飲むしかないでしょう、挑発に乗って上げます」
「ティオちゃん、止めといた方が良いわよ?」
「そうだぞ、ティオ?」
「いえ、一口ですから」
「よし、ほらティオ助、スプーンで一口な」
「…頂きます」
「…………」
「あぁ……」
「はぁ……」
「さて……」
「…………」
「…!?、っ!〜〜〜〜〜!!!!、〜〜〜!!!」
「ティオちゃん!?」
「〜〜〜〜〜!?」
ダダダダ!
ジャー!
ガラガラガラガラ!
「ティオ!、大丈夫か!?」
「うぅ…ゲホっ、ゲホ…」
「ちょっとランディ!」
「いや済まんティオ助!、まさかそこまでとは!」
「……いえ…」
「大丈夫ー?ティオー?」
「ええ、大丈夫…です」
「……はっ!、ティオちゃん!」
「……?」
「アルコールでほんのり赤い頬…涙目、上目使い……、人を殺せるレベルの萌えよ!」
「…オチに困った挙げ句にそれですか………」
了