零
□髪遊び
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「ティオちゃん、髪伸びてきたわね」
「…そうかもです、少し目にかかってきましたね」
「切った方がいいわよ、目が悪くなるからね」
「ええ、時間ができたら切りに行ってきます」
「時間って言っても暇は殆どできないわよね」
「……それもそうです、まあ、前髪だけ切れればいいですから自分で切りますね」
「あ、だったら…」
「?」
「…本当にいいんですか?わざわざ切ってもらって…」
「ティオちゃんこそいいの?私に切らせてくれるなんて」
「私は大丈夫ですよ、ヘアスタイルにはそこまで拘りも無いですし、こちらの方が時間的にも経済的にも効果的ですから」
「ヘアスタイルに拘りが無いのも少し問題よね……、取り敢えず整えるだけにするわ、冒険するのも怖いしね」
「…別に私は名前が¨某家族の常に下着が見えている次女¨の名前に改名されそうなヘアスタイルでも構いませんよ?」
「……私にそこまでバッサリ切る勇気はないのよ……、冷たかったら言ってね?」
シュッ シュッ
「ティオちゃん髪サラサラね」
「使っているシャンプーとコンディショナーはエリィさんと一緒ですよ?」
「………これが若さ…」
カチャカチャ
「それじゃ……切るわよ…」
「緊張しなくてもいいですよ、気楽にお願いします」
シャキシャキ
シャキシャキ
「……エリィさん中々上手ですね」
「私も偶に自分で切る事もあるからね」
「だったらそこまで緊張することもないでしょう」
「他人の髪を切るのは初めてなの、勝手がいろいろ違うのよ」
「そういうものですか?」
「そういうものよ」
〜30分後
「…はい、お疲れ様」
「ありがとうございます」
「いえいえ、それより出来映えは如何?」
「そうですね…、リピーターになりたい位の出来映えです」
「もう、褒めすぎよ、でも良かった…上手くできて…」
「それで、エリィさん、良ければまたお願いしてもいいですか?」
「…え?、わ、私?」
「…駄目ですか?」
「駄目な訳ないわよ、寧ろ嬉しいわ」
「ならお願いしますね、予約1号です」
「ふふ、判ったわ、またのご来店をお待ちしてるわよ」
了