□遊びの教示
1ページ/2ページ



「なあティオ」


「はい、何でしょう?」


「いや、気晴らしにさ、今から外で遊んでみないか?」


「…まあ、気晴らしには確かにいいかもしれませんね」











「今日は魔獣があんまりいませんね」


「ほんとだ、珍しいな」


「エリィさん達はキーアの日曜参観でしたっけ?」


「確かね、もしかしてそっちに行きたかった?」


「いえ、私がいっても必ず目立っちゃいますから、…それより何をするんですか?」


「取り敢えずバドミントンとキャッチボールとか適当に持ってきてみた」


「了解です、やってみましょうか」











バドミントン


「そう、持ち方はそうで…うん、よし、いくぞー」」


「はい、バッチこいです」


「よっ」
パシ!



「…はっ!」


スカ

ポト



「………」


「…次はこちらからいきますね」


「よ、よし来い!」

「…せい!」


ペシ


ヒョロヒョロヒョロ
ポソ


(…も、目測…40cm…)


「よし、キャッチボールいきましょうか」


(諦めた!?)


キャッチボール


「グローブはこうでいいですよね?」


「うん、大丈夫だ」


(嫌な予感が…)


「よし、いきますよ」


「お、おう、来い!」


「…ふっ!」


シュッ!


(お、いい感じだ)
カクン!


「…え、…フォーク?」


腹辺りを飛んでいた玉の軌道だった玉は、何をしたのか角度良く落ち…


キン!


「あ…」


「……フォーク…する…とは…ふっ」


「ロイドさん?、…ロイド…さん」


「………」













〜1時間後
特務支援課


「まだ帰ってないのか」


「もうすぐ帰るでしょう」


「だな、夕飯の準備でもしてるか」


「…それよりロイドさん?」


「ん?」


「何で今日いきなり屋外での遊びに誘ったんです?」


「うーん、そんなに大した理由じゃないけどさ」


「………」


「いや、俺はティオの年の頃はずっと外で遊んでた人間だからさ」


「はい」


「で、ティオって仕事以外はずっと…あの…機械弄ってるだろ?」


「機械…、まあ、はい」


「だからさ、外も良いものだって、ちょっと教えたくてさ」

「それが理由…?」

「あ、うん」


「…またお人好しを発揮しましたね」


「あ、はは、…お節介だったかな?」


「いえ、……」


「ん?」


「……まあ、偶には、外も、悪くは…ないですね…」













 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ