百物語り
□念仏
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ラブホで彼女とお泊まりした時、金縛りにあった。
彼女に助けを求めようとしたが声が出ない。
身体もピクリとも動かない……
まるで何かが覆い被さっているみたいで重苦しい。
「ハァハァ…」
男の息づかいが聞こえる……
物凄く生臭い
堪らず頭の中で念仏を唱えた。
南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…
するとスッと身体が軽くなった。
それと同時に寝ていた彼女が目を覚ました。
そして、俺を見てニッコリ笑った。
「何が南無阿弥陀仏だ……」
その声は何時もの彼女の声でなく老人の声だった………
【念仏】終り