お題小説
□泣いてないってば
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バタン
「ネウロっ」
びっくりした
だって
きれいさっぱり無傷
でもなかった
「手とれちゃってるじゃん!」
「ヤコ、つないでおけ」
「こう?」
「まったく、昔はその場でくっついたのに、面倒なものだ」
ネウロの手を握って、つなげながら、私は涙がとまらなかった
やっぱり
ネウロは…
「泣いているのか?」
眠ったはずのネウロが、目を閉じたままだけど、きいてきた
「泣いてないってば」
目を閉じててくれてよかった
嗚咽がでないように、強く手を握って言った
でも
情けないくらい、私の目から涙が流れ続けて
とまらない
「泣いているのか、なぜ泣いている?」
「泣いてないってば、早く眠っちゃいなよ」
「…そうだな」
少しでもずれてたら、私の首をずらすと言って、ネウロは眠った
恐かったけど、少し安心した
いつものネウロだ