小説

□透明な影
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両思いになるには実に単純な条件しかない



好きな人の好きな人が自分である



ただ



それだけのこと











だからなのか




昨日のあの光景が




離れない





『透明な影』












「…ネウロ?」

いつものように放課後事務所に来た弥子はあっけにとられる

いつもならデスクに座り何やらしているネウロが












ソファに横たわっている







「やっときたか、豆腐が」

「どうしたの?具合悪いの?」

「そんなわけあるか」

具合が悪そうなわけではないことに安心した弥子だったが、いまいちわからない




「…どうしたの、ネウ…」

言い終わる前に

ネウロの手が弥子に伸び










自分の上に抱き寄せた


「!!!???」

「…」

「ネウロ?」

「昨日、貴様に連絡が取れなかった」

「…」

「なぜだ」

耳元でささやくネウロ

「…なぜだ?」






































































「叶絵と、ケーキバイキングに行ってたの」



















震えながら言う弥子をさらに強く抱きしめ、ネウロは目を閉じた















バカめ



知らないとでも思っているのか




貴様は昨日




















笹塚といただろう
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