小説

□嘘ならいらない
1ページ/4ページ

たまにだけど





もう、ほとんど諦めてることなんだけど














貴方からの甘い言葉がほしくなる












『嘘ならいらない』















「昨日彼氏にもらったの〜」

「なんか言われた?」

「うん☆ずっと好きだよだって」

「きゃー♪」




昼下がり


クラスメイトのなんとも楽しそうなおしゃべりを聞きながら、弥子はため息をついた

「いいよね、女子高生らしくて」

「何おばさんみたいなこと言ってんのよ」

叶絵はそんな弥子につっこみを入れながら携帯でメールを打っている

「今度も合コンなのよ〜、いい男こないかな〜」

「…私も行こうかな」

「あんたにはイケ面な助手がいるでしょ」

あっさり拒絶され、弥子はまたため息をつく









自分はネウロがいないとダメらしい


そのことには、弥子はだいぶ前から気付いていた



気付いていたからこそ報われない








いつも奴隷扱いされるのが、どうしても腑に落ちない



反抗できないのが、悲しいところ







「たまには優しくしてほしいもんだよ」

ぼそっとつぶやいたはずだったが、叶絵には丸聞こえであった

「あの人優しそうじゃん?」

「そうだったらどんなに嬉しいことか」
















私、バカだよなぁ

そんなに優しさが欲しいなら

ネウロを思うのなんてやめればいいのに
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ