小説U

□つながり
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見た目は怖くて仕方がない

最初に会ったときなんて怖さを通り過ぎて混乱がおそいかかってきたくらいだった

泣きそうなくらいだった

でも

でもね、

今はちゃんと、優しいって知ってるから、

だから、

だから、

好きになってたの、かな






『つながり』







「ヤコよ、雑用の様子を見て来い」

「は?」

「ここ数日連絡が取れなくてな、だが我輩はミジンコの貴様とは違って多忙でしょうがないのだ」

「…わかった」




実はここ数日、雑用…もとい吾代と連絡がとれなくなっていた

別に事件にまきこまれたとかを心配しているわけではない、純粋にネウロは雑用が必要だったらしい

いる場所は大体想像がつく






土曜の午後、せっかくの休日を事務所で過ごすのは少しむなしいものがあった弥子は、吾代を探しに行ったほうが気がまぎれる

むしろ喜んで行かせてほしいくらいだった




「…結構、会ってないんだよね」




吾代はとある事件で意気消沈し、弥子とネウロからの連絡を拒否していた

着信拒否である

これには少なからず弥子もショックを受けた、が、原因は明らかに自分たちにある。魔人は認めていないが


「…元気かなぁ、吾代さん」










望月の会社についた弥子は、予想通り警備につかまっていた


「だから、副社長の吾代さんに会わせてください!」

「ダメダメ、予約ないと通せないし、会わせられないんです」

「…じゃあ望月さんにこう言ってみて下さい」

「なんですか?」

「桂木弥子とその助手ですが、吾代さんいますか、って」


警備の人は不審そうな目で弥子をみながら、なにやら電話で連絡をとっている

すると、ものの3分もしないうちに望月との会話が認められた


『な、な、な、何か用ですか?桂木さん!』

「吾代さんに用があるんです」

『ああ、吾代君なら今日は来てないよ、休みだから』

「あーそうなんですか、ありがとうございますー」

『いーやいや、めっそうもない!』



わかりやすい望月の接し方に苦笑しながら、弥子は首をかしげた



他に吾代が行きそうなところを考え、色々と思考をめぐらせると、一つの結論にぶつかった




「…パチンコかな」




前に一度だけ吾代が並んでいたパチンコ屋を思い出し、弥子はそこへ向かった






休日の昼の3時というだけあって、店内は混んでいるのがわかった

弥子は制服だ、入るわけにも行かない

が、閉店を待っているわけにもいかない

どうしようかと入り口で右往左往していると、いかにもチンピラな軍団が弥子に近寄ってきた






「ジョシコーセーがこんなとこで何してんの?」

「もっといいとこ知ってるからさ、そこらへんで遊ばない?」
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