小説(恋華夢なし)
□肝試しパニック!
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「うお〜,あついなぁ〜」
「こう,暑いと稽古する気もしねえ」
初夏まっさかり。
京の町で鬼のように恐れられている新撰組もただの人。
このうだるような暑さにはやはり勝てないらしい。
すっかり暑さにやられ,ごろごろしている者もちらほらと・・・。
「かぁ〜暑くて寝てもいらんねえ!」
「おう,左之!水浴びでもどうだ?」
「おお!いいな」
原田,永倉の言葉に飛び起きると着物を脱ぎ捨て,たらいを手に井戸に走っていった。
「かぁ〜気持ちいい〜!」
頭から水をかぶった原田は満面の笑みを浮かべた。
「生き返るなぁ〜」
同様に水をかぶった永倉も気持ちよさそうである。
と,そこへ沖田,藤堂が通りかかった。
「あれ〜,楽しそうですね。僕も混ぜてもらっていいですか?」
「オレも!あ,山南さんもいかがですか?」
藤堂,これまた通りかかった山南に声をかける。
「楽しそうですね。参加したいのはやまやまなのですが,もうすぐ発明品が完成するのです。出来上がったら,是非お披露目しますね。今回は期待していてください!」
ニコニコと楽しそうに山南は去っていった。
発明という言葉をきいて行水中の4人はぎょっと固まった。
「おいっ,今回は大丈夫かな?」
「さぁ・・・」
「爆発は免れないでしょう」
「やっぱり?」