光馨小説
□※末期症状
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「ん…」
「馨、起きた?」
目が覚めて、最初に映るのは光。
目を閉じる、最期に映るのも光であって欲しい。
今、光がいる。
今、光は僕のことだけ見てる。
今なら、大丈夫?
「光……大好きだよ」
笑って、伝えて。
「僕も大好きだよ、馨」
大好きな笑顔で、頭を撫でて貰って。
光、大好き大好き大好き。
もう、未練なんかない。
「…馨?、どこ行くの…?」
まだ眠そうな光の、あったかい腕の中から抜け出して
ベッド下に隠してた、カッターを取り出して
「僕の事、忘れないでね」
(何故か涙の伝う)笑顔のまま
思いっきり力を込めて、
首を切った。
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