光馨小説

□※末期症状
4ページ/6ページ


「ん…」
「馨、起きた?」

目が覚めて、最初に映るのは光。
目を閉じる、最期に映るのも光であって欲しい。



今、光がいる。
今、光は僕のことだけ見てる。


今なら、大丈夫?



「光……大好きだよ」

笑って、伝えて。

「僕も大好きだよ、馨」

大好きな笑顔で、頭を撫でて貰って。


光、大好き大好き大好き。

もう、未練なんかない。


「…馨?、どこ行くの…?」


まだ眠そうな光の、あったかい腕の中から抜け出して
ベッド下に隠してた、カッターを取り出して

「僕の事、忘れないでね」





(何故か涙の伝う)笑顔のまま
思いっきり力を込めて、
首を切った。



.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ