光馨小説

□切ない5題
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生まれたときからずっとそばにいて、ずっと僕らふたりだけの世界にいた。
「いた」と過去形なのは思いもかけない侵入者がいたからで。

僕はそれを恨んではいない、と言ったら100パーセントの本音ではなくなるけれど。
連れ出された外の世界に目を輝かせている光が幸せであるならば、それで良かったのだと思う。


それでも僕が光の傍にいつもいるのは、何よりも(そう僕の命よりも)大切な光を守るため。
光はよく我が儘なお調子者に見られるけれど、本当はとても繊細で傷つきやすく純粋なのだ。
だから僕は光の笑顔を守るため、光の幸せを願っているから、いつでも隣にいると決めた。
何を犠牲にしても必ず守り抜くと決めた。


僕の光に対する依存と執着は異常なのかもしれない。
兄弟、双子、そんな括りでは簡単に纏められない程かもしれない。
だけど僕はちっともおかしいなんて思わない。一度も思ったことがない。
だって僕の中にある想いはただひとつ。



きみを守りたい、ただそれだけなんだ


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