光馨小説

□それは禁断の。5題
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生まれたときからずっとそばにいて、ずっと僕らふたりだけの世界にいた。
「いた」と過去形なのは思いもかけない侵入者がいたからで。

僕はずっと馨とふたりだけの世界でも良かったのだけれど、足を踏み出した外の世界は思っていたよりキラキラとしていたから。
馨と共にいろいろなものを見たい、ずっとふたりで見ていられたらいいと思うようになった。

例えば雨が降ったとき、以前の僕ならただ憂鬱で不快な湿気に苛立つだけだった。
けれど花や草木を濡らす雫の美しさ、そしてその雫は陽が射したなら一層輝きを増すということを知り、
それを馨と眺めることのできる幸せを知ったのだ。

いつも傍にいてくれる馨。
ふわりと笑う馨は何よりも綺麗だと思う。
ずっと傍にいて欲しい、隣で笑っていて欲しい。

大切な双子の弟と思ってきたけれど、どうやら僕はそれ以上に大切に思っている、の、かもしれない。
そして僕はこの感情を何と呼ぶのか、気づいてしまったのかもしれない。

いや、気づいてしまったのだ。



それが背徳であると知っていても


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