光馨小説

□それは禁断の。5題
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いつまでも馨とふたりで生きていきたかった。
その笑顔、その声、その温もりの傍にいつもいたかった。いてほしかった。
いつまでも手を繋いで笑いあっていたかった。
けれどその願いは呆気なく終わりを迎えてしまった。


「ねぇ光。僕ずっと前から、光のこと大っ嫌いだったんだよね」


一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
胸の奥を太い杭で打たれたような感覚に、目の前が真っ暗になって何も考えることができなくなった。
頭が理解を拒んだのかもしれない。

「そっ…か」

震える唇からやっと出た言葉は、たった一言でしかなかった。
僕の想いは到底受け入れてもらえるものではないとわかっていたけれど。
まさか「ずっと前から」距離をとる前から拒絶されていたなんて…思ってもみなかった。

僕は困ったように笑う馨の本音に、もっと早く気がつくべきだったのだ。
傷つけ悩ませ苦しませる前に、僕の独占欲の檻から解放してあげなければならなかったのだ。
馨を、愛しているのなら。


涙が零れそうになる。
苦しくて苦しくて仕方ない。
辛くて辛くて仕方ない。
部屋が真っ暗で本当によかったと心から思った。

窓から入り込む風で頬が少し冷たい。


あぁ、僕は



好き、とすら言えない


絶望の淵に立っているようだ

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