光馨小説

□※絶望の世界からの脱獄
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声が出なくなったふりを始めて一週間が過ぎようとしていた。
始まりの朝、光は予想以上に驚き慌て、そして僕を抱きしめ涙を流した。
すぐさま医者が呼ばれたけれど当然ながら原因不明で、光は彼をやぶ医者と罵り「何もできなくてごめん」なんて言いながらひたすらに泣いていた。


一週間学校を休み続ける僕にぴたりとくっついている、普段泣かない光があまりにも泣いてばかりいるから、ほんの少し罪悪感を覚えた。
でも僕は言葉を捨てると共に無駄な想いも心の奥底にしまい込んだんだ、光の背中に腕を回してはいけない。


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