光馨小説

□※絶望の世界からの脱獄
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光に抱きかかえられて眠る何度目かの夜。
起こさないようにこっそり抜け出すのはせめてもの優しさ。


「大好き、だったよ」

久しぶりに発した声が枯れていたのは、ずっと喉を使っていなかったからだと思いたい。
まさか最後にこんな一言を言うなんて予想外だったな。
窓を開けると冷たい風が髪や頬を撫でていき、光にしてもらっていたそれを思い出した。



大嫌いな君へ。

(僕を選ばなかったことを後悔させてあげる)

どうか、幸せに。



風はふわりと僕を抱きとめてくれた。
(ような、気がした)

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