光馨小説
□あの日、君の笑顔に恋をした。
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授業中なんとなく窓の外に目をやると、さっきまで降っていた雨は上がり虹が出ていることに気づいた。
普段であれば大して気にもとめなかっただろうけど、(そういえば、)と小さな頃の記憶が蘇った。
あの日、雨上がりの庭ではしゃぎまわっていた僕ら。(凄くきらきらとした記憶なのは、きっと雨露を弾いて遊んでいたからだろう)
あ、と馨が指を指す空を見上げたら、そこには大きな虹が架かっていた。
「きれいだね」なんて言いながら笑いあっていると、馨の手がきゅっと僕の手を握った。
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「虹を好きな人と一緒に見ると、リョウオモイになれるんだって」
「リョウオモイ?」
「うん、本に書いてあったよ」
「ふぅん…」
「「リョウオモイってなんだろうね」」
ね、と微笑む馨が眩しいくらいにきれいだったのをよく覚えている。
きらきらとした、幼い頃の大切な思い出。
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