光馨小説

□ハッピーメーカー
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僕は光の手が好きだ。
綺麗で繊細な指をしていると思う。
それを光に告げたら、「馨の手の方が綺麗だよ」と言って笑われてしまったけれど。

僕は光に撫でられるのが好きだ。
温かくて優しくて、さらさらふわふわと撫でてくれる。
泣きたいときに撫でられると、その安心感に幸せの涙が出そうなくらい。(というかいつも出てしまうから光を困らせている)

僕は光に抱きしめてもらうのが好きだ。
まるでお日様みたいな光の腕の中は、僕のいちばんの安心できる場所。
肩口に顔をうずめて光の匂いを吸い込むと、愛しさで胸がいっぱいになる。

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授業中眠そうに目をこする指先、(たまにだけど)真面目にノートをとる手。
ゲームに夢中になって一生懸命動かしている指先、そしてその最中に柔らかい髪を乱暴に乱す手。
僕は光のそういうすべての仕草が好きだ。


それから、少し恥ずかしいけれどエッチのとき。

『ふ、ぁ、あっ』
『しーだよ、馨』

声を我慢できない僕の唇に、そっと乗せられる指先が好き。
でも優しく縫い合わされた唇も、光の意地悪のせいでまたすぐにほどけちゃって。
そうすると光は「馨は困った子だな」って笑って、頭を撫でて抱きしめてくれる。
その瞬間がたまらなく大好きで、幸せを感じるんだ。




「ひかる、大好き」
「わっ!びっくりしたああ!」

「馨から抱きついてくるなんて珍しいじゃん!」なんて嬉しそうな笑顔で言われて、僕も笑顔になる。
この一瞬が、光の好きな瞬間、幸せを感じる瞬間でありますように。


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