光馨小説

□待ってて僕のお姫様!
1ページ/1ページ


最近やり込んでるお気に入りのゲーム。何てことない普通のRPGだけど、主人公の王子様と、その双子のお姫様が僕らに似ているんだ。
この馨似のお姫様が敵の魔王に攫われて、主人公の僕は剣士と身分を偽って救いの旅に出る。途中で(まあよくあるパターンだけど)魔法使いや修道士、獣使いなんかを仲間にして、みんなで敵の城を目指す。
このサブキャラがホスト部のみんなに似ていたり、敵キャラに至っては鏡夜先輩の生き写しみたいだったり(ちなみにキャラ名は全て自分で設定できるから、みんなの名前にしてる)、そういうところがおもしろくって気に入ってるんだ!


そして今日、ついにラスボス鏡夜先輩を倒し、僕は馨姫を助け出した!

「ぃやったぁああああああ!!!」

『ありがとうお兄様!』だって!!馨可愛いー!!しかもハグしてほっぺにキスのご褒美付き!!!ああもう馨!可愛いすぎ!!!

「ねえ馨ーっ!…て、あれ?」

可愛い可愛い現実の馨にもご褒美のハグとキスをして欲しくなって振り向いたら、なんということだ、そこに馨はいなかった。

.
「馨!か・お・るー!!」

とりあえず大声で呼んでみても、返事はなかった。となるとこの部屋にはもういないんだろう。
どこかな、お風呂かな?いやまさかこんな時間に。おなかがすいて何か食べに行ってるとか?もしかしたらどっかで本読みながら寝ちゃってたりしてね。可愛い!


だけど、1時間かけて家中探し回っても馨は見つからない。まさか、何者かに攫われた…!?

「か…馨…っ!」

電話しようと思って携帯を開くと、3時間も前に馨からのメールが届いていた。

『鏡夜先輩んちに遊びに行ってくるね。何回も声かけたけど、聞こえてなかったみたいだから一応メール!(>_<)』


鏡夜先輩…だと…?


「んだあああああああ!!!」

超ヤバいじゃん!!遊ぶって何するの!?馨何されちゃうの!?
どっちから誘ったの!?ていうか馨と鏡夜先輩ってそんな中だったの!?一体いつから!?

あまりにも焦った僕は、車を出すことも忘れて家を飛び出した。
武器なんて持っていない、でも馨を想う気持ちが最強の剣になる!
目指すは悪の魔王の城だ。

待ってて僕のお姫様!



さあ踏ん張れ全力疾走!

.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ