dream2

□君の躰に誘惑された
1ページ/1ページ

「何も言わずにお金下さい。リーダーには(無理矢理)許可とっています」
「………」

いつも訳のわからない女だが今日はいつになく訳がわからない。

「無理だ。今月は特に赤字だ」
「あれだけ賞金首狩ってるならちょっと位あるんじゃないですか」
「そもそも何故だ?いくらお前でも金をせびる事は無かったろう」

そうだ。いつもひじき見せてくれだとか硬化した腕にぶら下がりたいとか子供のような事を言うが金銭に関してはいつも無頓着だ。

「…落ち着いて聞いてもらえますか」
「落ち着いてないのはお前だろう」
「運動グッズ購入と脂肪吸引とレーザー治療の為です」
「…は?」

百歩譲って運動グッズはまだしも脂肪吸引?レーザー治療?

「有り得ないな」
「あーもうだから言いたくなかったんですよ―。とにかくお願いします!」
「犯罪者としての自覚を持て。暁にレーザー治療やら必要じゃない」
「鬼!頑固親父!それでも彼っ…すいません」
「大体その敬語も気持ち悪い」
「雰囲気でるかと思ったのに」
「浅はかだな」

地怨虞で首を軽く絞めると彼女はあっさりと引いたが少し悲しそうな顔をした。

「…この前任務先で小南ちゃんと温泉入る機会があったんだけど」

首から地怨虞を放して黙っているとぽつりぽつりと話してくれた。

「めっちゃスタイル良かった!肌も綺麗だったし、飛段も見たかったって言ってたし。そこでいよいよ私は角都と釣り合わないと思ったわけ」
「…はあ」
「角都はさ、ホラ肉付きとか引き締まり具合も理想通りだから私は儲けもんだけど」
「あのな、」
「比べて私はぽちゃぽちゃだし何故かあちこちにホクロ増えてきたし、最近恋人らしいことしてないのは絶対このせいだと思って」
「聞け」

さりげなく壁へ追いやるように近づくと彼女の頭を撫でる。

「お前が前に言ったじゃないか、次の日に響くからあまり欲を出すなと」
「言ったけど…!」
「それに言うほど悪くない」

頭から徐々に体へ手を降ろす。

「全く着痩せしない体だがな」
「…それ小南ちゃんにも言われた」

そういえばと初めて彼女を抱いたとき想像以上のその体に驚いたことを思い出した。

「不満はない」
「…本当に?」
「ああ」
「ありがと」

口を尖らしたままだがさっきより機嫌が良くなっている彼女にキスを一つ。久しぶりに抱きたいと思った途端、今夜まで我慢できるかと心配になった。



――――――
0228企画提出
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ