YUNHO

□Santa Claus -YUNHO-
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ピンポーン









キターーーーーーーーーーー!!











ついに来た!!
念願のケーキ!!

私の、私だけの、ホールケーキ!!














インターホンの受話器ごしに
このうかれた声が出ないように気を付けなくちゃ





ガチャッ

「はいっ♪」













まぁ無駄な努力だったけど













すると














?『あ、こんばんは』

「……はい?」

















聞こえてきた声は

待っていた宅配便の人ではなかった









誰?



















「どちら様ですか…?」

?『あ、同じ階に住んでる者ーですけど、荷物を預かってて』

「荷物…?私の、ですか?」

?『はい』

「え?…あ、ちょっと待って下さい」

?『はーい』

「……」


カポ…













「……」



















これ…
うかうか出て行ったりして大丈夫なのかな















とりあえず


私はなるべく足音を立てずに玄関まで行くと

そのままドアのチェーンを静かに取って
そっと、慎重に、ドアにかけた





そして











ガチャ

ガンッ…
















YN「あ、こんばんは」

「あっ…こんばんは」


















数センチだけ開いたドアの隙間から見えたのは

何度か挨拶を交わしたことのある、本当にこの階の住人の人だった




たしか韓国かどっかの人…
















YN「あぁ、コレです。預かってたやつ」

















そう言って
彼が私の目線まで上げて見せてくれたものは



間違いなく

私の夢が詰まったケーキの箱だった



















「あっ!!…あっ、ちょっと待って下さいね!!」

YN「ははっ。はい」


















私は急いでドアを閉めてチェーンを外し

再び開けると
その彼の全体像がきちんと確認できた
















「すいません、ありがとうございました」

YN「いえいえ」

「……」


















これまで全く意識して見た事はなかったけど



改めて背の高い人だなぁと思ったのと

間近で見ると
なんて優しそうな笑顔…









意外にも、少しドキリとしてしまった




















YN「驚かせてスイマセン。ビックリしましたよね?」

「え?あぁ…まぁ」

YN「ちょうど配達に来た人とぉ、下で会ったんですよ」

「あ、そうなんですね」

YN「インターホンの番号がぁたまたまこの階だったのが見えて、留守で困った顔してたから、その…つい声かけちゃって。ははっ」

「え、それで預かってくれたんですか?」

YN「同じ階なんで、よかったら預かりましょうか?って。まぁ最初は断られたんだけど」

「…けど?」

YN「や、あまりにもクリスマスで忙しそうだったからーつい…『僕の彼女なんで渡しときますよ』って」

「えっ」

YN「スイマセン(苦笑)」

「あ、いえ別に…」



















それを聞いて預ける方も預ける方だよな




















「受け取りの判子とかはどうしたんですか?」

YN「あぁ、サインでいいですよって言われたんで、サインを」

「したんですか!?」

YN「スイマセン…

「……」

















それって犯罪にならないのだろうか…

















とはいえ
見た目は善良そうに見える人だし多分大丈夫…




かな…

















ま、気を取り直して

せっかくのクリスマス
何はともあれケーキは無事食べられるんだし、いいとしよう















それにプラスに考えれば


再配達の連絡をする手間もなくなったし

預かってくれている間
ケーキって分かったのか、ちゃんと冷蔵庫に入れておいてくれたみたいだし

聞けば私が帰ってくるまでも
何度かこうして来てくれていたらしいし













なんだ
















「どうも、わざわざありがとうございました」














良い人じゃないか
 
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