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□幸せの内訳
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「俺の80%はクラエスへの愛で出来ています」
よし、今日の第一声はこれに決めた!
幸せの内訳
「そっか」
計画通りの台詞を言ったら、クラエスはデスクでコーヒーを持ったまま聞き返してきた。
「じゃあ残りの20%は?」
「優しさ」
「うわー」
うわーって何だ。
笑顔のまま言われるとすごい複雑。
「ロナルドって凄いもので成り立ってるのね」
「凄くないよ。むしろ当然だろ?」
「うーん、あたしの方は…」
クラエスは少し悩むような顔つきで黙ってから、その表情のまま言った。
「…5%くらい」
「ええっ?」
何ですと。
ちょっと少なすぎませんかクラエスさん。
「嘘…マジで?」
「うん、今はそのくらい」
「今はってことは後々増えるんだよね?」
「えーと多分きっと」
曖昧すぎる。
なんか不安。
クラエスはコーヒーを一口飲むと、改まるように俺を見た。
「ていうかさ、ロナルド」
「うん」
「あたしたちまだ付き合って1週間しか経ってないじゃない」
最もな発言をされた。
…まぁそうなんだけどさ。
「それでも5%は少ないと思わない?後の95%は何なんだよ」
「ホットケーキとか、カルボナーラとか、メロンパンとかかな」
「お前の95%って炭水化物なの?」
幸せな奴だと思う。
でもさ、それじゃ俺の立場はどうなるの。
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