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□このまま眠ってしまおうか
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「眠い…」
「寝るな」
私は同情の欠片もない言葉を投げかけながら、ソファーを占領している男に呆れた視線を向けた。
このまま眠ってしまおうか
「なんでそんなに飲んだの?しかも潰れるなんてロナルドらしくもない」
仕事終わりに同僚を拾ってしまったことを少し後悔する。
たまたま自宅の近くでよろよろしてたから仕方なく招いてやったが、やはり迷惑なものは迷惑だ。
「だってさぁー…」
「どうせまた合コンでエリック先輩に狙ってた子取られたんでしょ?」
「………」
図星か。
分かりやすい奴。
「せっかくクラエスも誘ってあげたのに…」
「仕事が残ってたんだから仕方ないよ」
「はぁ…要領が悪いから残業なんかになるんだよ…」
「もう帰れよお前」
わざわざソファーに寝かせて水まで運んであげた恩人になんて態度だ。
前髪のアホ毛を引っこ抜いてやりたい。
「このまま眠ってしまおうか…」
「だから寝るなって」
「いいじゃんタイトル通りだし」
「夢小説でタイトルを話題に出すな」
「ギャグチックなのは管理人の得意技だろ…」
「おい、今まで企画短編はなるべくほのぼのとした暖かい話を書こうと管理人は努めてきたんだよ。今回で路線が大幅に外れるだろ」
「んなの関係ねえぇー…」
「あーもう…」
何を言っても不毛な会話にしかならない。
どうしたものか。
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