Red & Beautiful memory
□]V.Return
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「……!?」
…わけが分からない。
カナタは状況把握に必死だった。
「(な…何、本当に何なの?グレルさん達は何してるの?なんで私連れてこられたの?)」
カナタの前に立つグレル、ウィリアム、セバスチャン。
その向こうには、先日自分とロナルドを襲った謎の黒い物体。
「さーてと」
洒落た台詞を放った後、グレルは前方でうごめく影を鋭く睨みつけた。
「…アレが例の、ネ」
「まさか本当に出てきて下さるとは思いませんでしたね」
セバスチャンがシルバーを構えながら少し楽しげに言った。
「こちらの本意です。さっさと済ませますよ」
ウィリアムが眼鏡を光らせ、デスサイズを握り直す。
ヒュッ
影が風を切った。
向かってきた触手のような黒に、カナタが声を上げる。
「危…ッ!」
しかし、3人は地面を蹴って軽々と避けた。
その慣れた身のこなしに、カナタが叫びかけた言葉を切る。
「ダイジョーブよ」
グレルが空中から声をかけた。
「こんな滅多に会うことのない相手、どうせなら楽しまなきゃ…ネッ!」
掛け声と同時に、シュッ!とグレルの手にあるチェーンソーが振り上げられる。
一瞬どこから持ってきたんだと疑問に思ったカナタだったが、今はそんなことを気にしている余裕は無かった。
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