Red & Beautiful memory
□W.Fact of impact
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ガッシャアアアン!!
セントラルタウンの一角。
重い鉄骨の看板が地面に落ち、派手な音を鳴らして壊れた。
「……え?」
その様子を、カナタは上空から見た。
「…え?」
そして、次に自分の体を抱き抱えている腕を見る。
「…え?」
最後に、カナタが顔を上に向けると、
「んもう。何回驚いてんのヨ」
頬に触れる赤髪の中、すぐ目の前にグレルの顔があった。
「なっ!」
カナタがびくっ!と体を震わせた。
「な…ななな何っ!?」
「ちょっと暴れないでヨ。落ちちゃうでショ?」
グレルがカナタを抱えたまま、ストッ!と大通りの向こうの裏道に着地した。
「(すごい運動神経…)」
カナタが軽く感心していると、グレルがハァ、と息を吐いた。
「まったくもう、世話焼かせるわねぇ」
「あ、あの…」
助けてもらったことをようやく理解し、カナタが口を開いた。
「ありがとうございます…」
「アラ、案外素直ねぇ。可愛らしいとこあるじゃない?」
「と、とりあえず離してください」
「えー、これくらい良いでショ?借りはこれでなしにしてあげるから!」
「わっ!」
グレルがハートを飛ばしながら、カナタをぎゅうぅっ!と力一杯抱き締めた。
ふに
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