Red & Beautiful memory

□X.Muzzling
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翌日の朝。

「本っ当にすみません…」

ファントムハイヴ家には、セバスチャンに頭を下げるカナタの姿があった。

「やれやれ…昨日も言いましたが、バレてしまったものは仕方ありませんよ」

顔を上げなさい、とセバスチャンはカナタに言った。

カナタが申し訳なさ気にセバスチャンを見る。

「ごめんなさい…以後気を付けます」

「そうですね。とりあえずは、グレルさんに口止めしておくしかないでしょう」

セバスチャンがカナタを見た。

「まぁ、あの方が言いふらすとは思えませんが」

「そうなんですか…?」

「あの方は特殊なので。色々な意味で」

「?」

カナタがきょとんとすると、セバスチャンが意味深に笑った。

「また今日辺りに来るでしょう。会ったら言っておきなさい」

「え、分かるんですか?」

「嫌な気配がするので」

「…あ、あの、セバスチャンさん」

「何でしょう?」

「なんか喜んでません?」

「厄介者が遠退いて喜ばない者などいますか?」

「………」

セバスチャンがクス、と笑い、カナタに背を向けた。

「しっかり伝えておいてくださいね?カナタ?」

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