捧げ物倉庫

□これが通常運転です
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正十字学園の放課後――

燐が家路を歩いていると、背後から声がかかった。

「おっくむらくーん」
「どうしたんだ志摩?」
「奥村君今日も可愛らしいなぁ」
「やめろよー」
照れたように笑う志摩。この流れならせめてハグまではいけるかとふんだ廉造は、
「そうえばなぁ奥村君、昨日とっておきの(エロ本)手にいれたんですけど、見ます?」
そう耳打ちしてとりあえず距離をつめる
「見る!」
即答する燐。この流れなら部屋に連れ込めるんちゃう?と期待を膨らます廉造。
「ほなら俺の部屋に……」

しかし、

「兄さん、教科書忘れてたよ。宿題どうするつもりだったの」
「おぉー!さんきゅな雪男!」
笑顔を浮かべた雪男がどこからともなく現れて燐に話しかけた。
そして今廉造に気が付いたかのように(実際そうなのだろうが)
「あ、志摩君こんにちは」
「奥村センセこんにちはー」
いつもいいタイミングで現れるんよなと苦笑いする廉造につかつかと近寄る雪男
そして燐に見えない角度で廉造に銃を突きつけ、

「僕の兄さんに何をするつもりでしたか?」

何ってあわよくばナニですよなんて答えたら打ち殺されるだろう。それくらいの頭は持っている。
「……奥村先生には敵いませんなぁ」
ホールドアップして降参する廉造。
そしてほったらかしにされていた数分間に燐はというと、

「金造!柔造!」

燐の方を見て、げぇ、と露骨に嫌な顔をする廉造。雪男も心なしか舌打ちしそうな顔だ。
二人とも燐にそんな顔をしたわけではもちろんなく、燐の肩を親しげに抱いている金髪とそれをにこにこ見ている黒髪に嫌な顔をしたわけであり。

「なんや廉造兄に向かってその顔は」
「冷たくて涙がでるわー。なー燐くんお兄ちゃんはもっと敬われるべきやんなぁ?」
「そうだな!まったく弟というのはもっと兄を尊うべきだ!なぁ雪男!」
「尊んでどうするのさ……しかも尊ぶだし。」
呆れ顔をしつつも兄さん可愛いなぁとしれっと呟く雪男。
「ちょっ金兄!奥村君にべたべた触らんといて!俺でもまだちゃんといちゃいちゃできてへんのに!うらやましい!」
「廉造本音でとるで」
「そんなんやから童貞卒業できへんのやお前は」
燐の肩を抱いたままべー、と舌を出し挑発する金造。
大人の余裕でそれを傍観している柔造。
「そんなん金兄には言われたくないですー柔兄ならともかくー」
「オイコラそれどういう意味や」
「そういう意味ですー」
「……というかなんでお二人がいるんです」
このまま低レベルな口喧嘩に付き合っていてもらちがあかないと雪男が話の流れを強引に変える。
「俺が好きなバンドのライブがこっちであってなー。あ、今度燐にも聞かせたるわ」
「マジか!」
「ちょっといつの間に呼び捨てになったん!」
「まぁ、そのライブって明日なんやけどなー」
「柔兄余計な事言わんでええわ!」
燐から手を離し柔造につかみかかる金造。廉造の叫びは当然無視された。

「…………ちっここにも伏兵か」
「奥村先生!?今すっっごーい邪悪な呟きが聞こえた気がするんですけど!?」
「気のせいですよ」
「爽やかな笑顔やな奥村先生。いつも廉造がお世話になってますー。唐突ですがお兄さんいただけますか?」
「駄目です柔造さん。」
「柔兄さらっと何言っとるん!?今彼女いたやろ?」
「あんなん偽装や偽装」
「柔兄が黒い……」

そんな会話の中再びずっと放っておかれた燐はというと、

「……何や騒がしいと思ったら、金造と柔造も来てたんか」
「お、勝呂」
「…………あー、その、奥村、今から俺の部屋」
「なぁ勝呂宿題教えてくんねぇ?わかんねぇとこあってさ」
「あ、あぁあいいで。じゃ、俺の部屋行くか。ここよりは静かやし。」
「おー」


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正直「ルーズリーフに書けたよー」って言ったときはここまで長くありませんでした。こんなんでよければどうぞ持ってってくださ。
念のため。涼のみお持ち帰り/返品可ですー


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