捧げ物倉庫

□役回り
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もうまったく嫌になるほどになんてきみは無防備なんだろう!

僕にだけそう、とかならばともかくノボリにだってクラウドにだってキャメロンにだって男客どもにだって、君は嫌になるほど親切で、疑うこともしらない。

そのうち簡単につけこまれてしまいそうだ、と心配しているのはきっと僕だけだ。当人は気が付いていないのだから。

「どうしたんです?クダリさん」

僕が仕事に手を着けずそんな事を考えていると、彼女はそう小首を傾げて聞いて来た。

(君のことだっていうのに)

そういうしぐさを誰にでもやるものじゃないよ、というかやらないで!と、言いたくて言いたくて仕方がない。

「疲れたときは甘いものですよ!」

クダリさんこのチョコ好きでしたよね!と彼女がチョコを一粒つまんで差し出して来た、
「…………」

僕は無言で君の手をがしりと掴んで、あと数センチというところまで顔をぐいと近付けた。


「あまり無防備なの、どうかと思う」

僕みたいなのもいるんだから、と囁いて彼女を解放すると彼女はしばらく放心した後、みるみる真っ赤になって脱兎の如く逃げ出した。


「……あぁあもう!嫌われちゃったのかなやっぱり」

彼女が置いていったチョコ(ちゃんと僕の机に置いてあった)を一粒つまんで口に入れた。
確かにこれは僕が好きな味だけれど。覚えていてくれたのかと思うと、嬉しいけど。

自分でやったこととはいえ、まったく損な役回り!

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向日葵様リク/クダリさんに襲われそうになる話
ギャグちっくな話にしようと思ったけどログアウト(笑)
甘い?かどうかすら微妙な話ですがもらっていただければ幸いですます
サイト転載もといお持ち帰り/返品は向日葵様のみ可でございます!

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