頂き物!
□僕らの無限ループ
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そして何年かたって、
僕らはある街で出会った
『はじめまして』
他人のように挨拶すれば
「あぁ」
と短く無愛想に返してきた
あの日別れた僕とは知らないで
何日かたって僕は
『遊びませんか』
とダメもとで言ってみれば
「仕事が終わってからな」
とまた無愛想に返ってくる
『やっぱり、キャンセルしますね』
そう唐突に言えば
「……」
無言で僕の前から姿を消した
去っていくときのその背中が
無性に恋しくなって後を追いかけて
『さっきはすみませんでした』
と僕は背中に向かって謝るけど
「……」
やっぱり無言で僕に背中を向けたまま歩き続ける
僕はそれが何より悔しくて、悲しくて
後を追い続けて
前を歩く君の服の裾を軽く掴んで