鳴門短

□甘さ控えめ
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「サスケー」

「なんだ」



甘さ控えめ



「はい、これ」


そういってななしが差し出してきたのはリボンのついた可愛らしい小さな袋。
プレゼントーと笑う俺の彼女はとても可愛くて自然と顔が綻ぶのがわかる。
ななしからそれを受け取るとふと考える。今日は何かの日だったか。記念日忘れるほど馬鹿ではないし、別に俺の誕生日でもない。


「今日なんかあったか?」

「ううん、昨日クッキー作ってみたの」


ああそうか、と。ななしはお菓子を作るのが趣味であることはわかっている。自分はそういった趣味がないからよくわからないが、時々作りたくなるのだろう。


「しかし、唐突だな」


そう、ななしは今まで俺にお菓子をくれたことはない。俺が甘い物苦手なことはわかっているので、当然といえば当然なのだが今日渡されたクッキーはどういう風の吹き回しなのか。


「甘さは控え目にしてあるんだ。それならサスケも食べれると思って」


何度か作ってやっと上手くいったの、とななしが照れながら言うもんだから俺はたまらなく嬉しくて。今目の前で話してくれてる彼女が可愛過ぎて。


「ありがとな」


と礼を言ってななしの頭を撫でた。その手をするりと下に持っていき、えへへと嬉しそうに笑う彼女の頬に添える。そのまま顔を近づけて口付けを落とす。


「っ!?」

「何驚いてんだよ」

「だ、だって…」


突然のキスに顔を真っ赤にして恥らうななしにもう一度唇を重ねてやった。


「んっ……」

「可愛い」

「…ばかっ」


口ではそう言いつつも満更ではなさそうな彼女は小さく俺の胸を叩きながら微笑んだ。どこまでも可愛いななしの背中に手を回す。抱きしめられていると気づいた彼女はそれを受け入れて俺の方へ体を寄せた。


「クッキー食べてね」

「あぁ、後でな」

「もう……」


しばらくはこうしていたい、と呟けば私も、と呟き返されて俺はまた唇を重ねた。




甘さ控えめ?



とんでもない!!
(あいつらここが教室ってわかってんのか?)
(もうほっとくってばよ……)


*

空気全く気にしない馬鹿ップル万歳
しかし短い……


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