鳴門短

□ややこしいきっかけ
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ややこしいきっかけ


「ねー、奈良」


「なんだよ名無し」


「奈良行こうよ、奈良」


「は?何だいきなり」


「だから奈良に旅行行こうってはなし。私と奈良で奈良行こうよ」


「奈良県に行くのは良いけどな、お前わざわざめんどくさく言ってるだろ」


「えーめんどくさくないよ」


「十分にめんどくせーんだよ嫌がらせか」


「仕方ないじゃん。奈良が奈良って名前してるから奈良と被っちゃうのは仕方ないよ」


「ちょっと待て今の奈良ってどの奈良だ」


「奈良は奈良だよ他に何かあるの?」


「ああ、俺が悪かった。とりあえず一旦奈良って呼ぶのやめてくれ」


「どうして」


「ややこしいんだよ、いちいち奈良奈良って」


「それは仕方ないって」


「あーうるせーな。とりあえず、もうややこしく言うなよ」


「次言ったら?」


「奈良県に行かない」


「それは嫌だけど、じゃあ私どうすれば良いわけ?」


「方法なんざいろいろあんだろーよ」


「例えば?」


「…下の名前で呼ぶとか」


「あ、ああ!その手があったわけだ」


「今気付いたのかよめんどくせー奴だな」


「でもシカマルって呼ぶとわざわざ奈良県に行って奈良って連呼しようって計画台無しになるな」


「お前やっぱりわざとだったのかよ」


「しまった」


「今更白々しいんだよ馬鹿ななし」


「シカマルならいけそうだったんだけどな」


「奈良県行くのやめて俺とみっちり勉強会するか」


「すいやせんしたシカマルさん」


「わかればいんだよバーカ」


「うわー馬鹿にされた。もういいもん奈良行っても鹿煎餅食べさせないよ」


「どこまでも俺をイラつかせる天才だなななし」


「じゃあ奈良の鹿達にシカマルって名前つけて鹿煎餅あげるのは」


「もれなく俺の後ろ蹴りが決まるな」


「楽しくないなー」


「俺がな」


「良いじゃんかシカマルだって奈良行けば楽しくなるよきっと」


「ななしが迷子にならなきゃ楽しいだろうな。あと鹿に襲われなきゃな」


「そしたら助けてね」


「気が向いたらな」




溶け込むそれ
(あ、その前に)
(なんだまだ何かあんのか)
(追試対策手伝って)



*

下の名前で呼ぶきっかけとか欲しかったのだけど((
シカマルはナチュラルに下の名前呼ぶの上手そう


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