イナズマ小説

□堕落したイカロス
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飛べない。

サッカーが出来ない。

しいて言うならスランプみたいなもんだ。


イナズマジャパンとの試合に負け、優勝の切符を逃したユニコーン。

その敗因は俺にある。
そう、俺なんかがキャプテンだから、ユニコーンは負けたんだ。

一之瀬のためにもあの試合は勝ちたかった。なのに
なのになのになのに、
俺の力不足で 負けたんだ。




それからというもの

自分のプレーに自信をなくした。
嫌気がさした。



ついには サッカーそのものが嫌になってきた。





「くそっ!くそっ!」

ガンッ


俺の蹴ったボールは
ゴールの淵に当たり、跳ね返ってきた。

「なんでシュートが決まらないんだ!なんで!」


苛々が止まらなかった。




「マーク」

いきなり、監督が話しかけてきた。
隣にはディラン。


「・・・・監督。なんの用ですか?」

「・・・・・・・しばらく、練習禁止にする。」



・・・は?




「練習はやめて、精神を落ち着けなさい。今のお前はキャプテンと呼べない。
・・・このままならば、キャプテンを変更するかもしれない。」






突然すぎて、何がなんだか分からなくなった。





[キャプテン失格]



恐れていた事が起きてしまった。




監督とディランは、
なにも言わずに その場を去った。

でも ディランが少しだけこっちを向いた。








・・・・・なんだよあの顔

俺がキャプテン失格になってそんなに嬉しいか?

次はお前がキャプテンか?




俺の周りの奴らも
同じ様に俺を見てくる。





元キャプテンに対して
失礼な奴らだな。

そんなに俺が嫌いか?







もう なにもかも嫌になった。




ボールを思いっ切り蹴り、その場を後にした。



―――捨て台詞を残して。







[お前らなんか死ねばいいのに]
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