イナズマ小説

□無理だから
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エイリア学園なんて知るかよ、

普通の人間が宇宙人に勝てるかよ、



そうだ


勝てるはずがない、負けて当然なんだ。




「風丸…ッ!諦めんなよ!なぁ?」


諦めんなよ?

諦めなかったら何か変わるのか?あいつらに勝てるのか?



「今までジェミニストームにもイプシロンにも勝ってきたじゃないか!…もう少しなんだよ!」



なぁ、お前だって気づいてんじゃないのか?

ジェミニストームやイプシロンとは……… ジェネシスは別格である事を。




「………円堂、俺はな もう疲れたんだよ…」


目標に向かって努力する、なんていいように聞こえるけど

その努力が打ち砕かれる時だってあるんだよ。


何かを諦める、というのも1つの勇気だろ?





「お前が続けようが止めようが、俺は降りるぜ。」



そしたら お前は
いつもキラキラしてるその目から、涙をポロポロ流すんだもんよ、


俺も泣いてしまうだろ?






『風丸……好きだ。』

『……あぁ、俺もだ…!』



はじめて気持ちが通じあったあの日、
したキスはお互い泣いてたせいでしょっぱかった。

けど甘かった、幸せだったんだ、





そんな事を思い出しながら 相変わらずポロポロ泣いている我等がキャプテンに

珍しく、俺からキスを落とす。


でも なんでだろうな、


今のキスは甘味の欠片も感じなかった。

もうあの頃の幸せだった俺達とは違う、




「無理だから、」


ジェネシスに勝つのも、あの頃に戻るのも 不可能だから。








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