その他小説
□僕の彼女は本の虫。
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[本の虫]
今まで、僕が見てきた人達の中で
彼女が1番この言葉にあてはまる。
勿論、彼女はこうした今も本を読んでいまして・・・
「・・・・・そんなに面白い?その本。」
「えぇ、面白いわ。」
「僕には、ただの紙と言葉の羅列にしか見えないけど・・・」
「・・・そんな事ないわよ。」
あっ少し不機嫌になった
君は顔に気持ちが出やすいんだよ。
頭いいのにそういう所は鈍感だなぁ・・・
「本っていうのはね、私の知らない事や興味のある事について筆者から本を通して独自に伝えてくれるのよ!筆者によって文字の書き方も変わる・・・書き方によって、それぞれの世界観が変化するの!」
「ふーん・・・」
そんなに本の事を熱く語られても困るんだけど・・・
っていうか、彼氏に本について語る彼女って中々いないよね。
「本は、そこら辺の男よりも魅力的だわ。」
・・・・じゃあ 僕よりも本の方が魅力的だっていうのか。
って言いそうになったけど、悪気のない素直な君の目に言う気も失せたよ。
何これ、惚れた弱みかな?はは
「まぁ、ロンも魅力的だけどね。」
「・・・え?」
「いや、魅力的というか個性的?かしら。」
「・・・・・・君って僕の心、読めるんだね。」
「は?なんのこと?」
「な、なんでもない・・・よ」
「・・・変なの。」
[僕の彼女は本の虫。]