その他小説

□おまじない
1ページ/2ページ





いよいよ、今日は
グミとルカの期待の新曲の発表当日である。

新人のグミに比べ、ルカは今までステージに立った事など数えきれない程あるベテランであり、
そしてあの お姉さま的性格…………

楽屋で 緊張するグミを落ち着かせているルカの様子が目に浮かぶ。





しかし


「どうしようどうしよう…!ああああ家に帰りたいマグロ食べたいいい」

「落ち着いてくださいルカさん…」



彼女たちの立場は真逆だった。


ルカは 冷静沈着でCOOLなイメージだがそれは偽物で、実際は 極度の心配性。
逆にグミは 楽観的で本番に強く、肝が座っているタイプ。




「ぐぐ、グミ、今日の新曲のライブ、うまくいくかしら…!?」

「ルカさんなら大丈夫です!」

「でっでもっ!今日の曲、難しいし…音域広いわ早口だわ!」


いつまでも あわあわしているルカに グミは少し呆れたような、でも優しい笑顔を見せた。




「大丈夫ですってば。音域広いし早口だけど、その分いい曲でしょう?」

ポン とグミはルカの頭に手を置いた。



「私たちはマスターが頑張って造ったこの曲を心をこめて歌うだけですよ。」



グミの言葉でルカの顔は 大分、安心と余裕に満ちていた。


「……そうね、」









「ルカ、グミ、本番だ。頑張ってきてくれ。」

「はい!!グミ、マスターのために頑張ります!!」

「あぁ…」




「……?ルカさん…?」


見ると、ルカは
先程 安心していたのに今では はじめどうり緊張していた。



「まったく、」


グミは 軽くルカの頬に手をあて、
おでこに優しくキスをした。

みるみるうちに、ゆでダコになっていくルカにニコッと笑い、
余裕の一言を言って見せる。






「緊張がほどけるおまじない♪」




さぁ、私たちのステージへ、

(心踊らせる飾らない言葉)
(電子音で伝えるよ)











次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ