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□天才詐欺師とバカ正直のいただきます
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ライアーゲームという名の恐ろしいゲームも崩壊し、今では平穏な生活を送っている二人。

今日は、秋山が直の家にお邪魔していた。

雑誌を読んでくつろいでいる秋山に、直はこう言った




「秋山さん、せっかくですし一緒にご飯でも食べません?」

唐突すぎる提案に 秋山は多少驚いた。


「今日、なんだか沢山食材買っちゃって…… それにライアーゲームで助けてくれたお礼、まだちゃんとしてなかったなって……」



「礼なんて要らない。」

だって少なからず俺もお前に救われたから、と秋山は直に返す。




「………別に、嫌だったらいいんですけど…」

寂しそうに拭く直。秋山は元々、直にひどく弱かった。こんなに可愛い直の誘いを断れる筈がない。




「………お前が迷惑じゃ無いんだったら 頂く。」


すると直は「迷惑だなんてっ!!」と、嬉しそうにキッチンに向かって行った。

「包丁とかで怪我するな、」という秋山の気遣いは残念ながら直には聞こえていなかった。





秋山は雑誌を何冊も読み返していたが、すべて読み終えて暇になったらしく キッチンにいる直の様子を見に行った。


「順調か?」

直は「順調です!!」と答え、引き続き料理を続ける。


美味しそうな匂いが立ち上る。バカ正直の神崎直は、料理は上手かった。






「完成です!!」


直が自信満々の笑顔を見せる。

それもそのはず、完成した料理は どれもこれも美味しそうだった。少なくとも見た目は完璧。


「……中々旨そうじゃないか。」


秋山に誉められて嬉しそうに微笑む直。
そんな直の顎に手を添え、くいっと顎を持ち上げて直の顔を自分の方へ向ける秋山。


次の瞬間、秋山は チュッと軽く直にキスをした。
余りにもいきなりで、直はされるがままだった。

が、ようやく状況が掴めたらしく、直の頬はみるみるうちに赤く染まった。



「ななな、何するんですか、秋山さん!!」


「…ただのご褒美だ。それより、冷めない内に飯食うぞ?」

「うぅ……はい。」





そして、二人そろって いただきます。









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