年中無休で変態日和!

□part.1
1ページ/6ページ


【草薙道場】



此処は草薙道場。

中からは男と女の掛け声や竹刀同士のぶつかる音が聞こえてくる。




「はっ!」

父「とぉっ!」



この草薙道場主である疾風と、その娘である瑠衣は毎日のように厳しい鍛練を続けている。

今日もいつも通り鍛練を続けていたが・・・




父「・・・瑠衣、少し話があるんだがいいか?」

「? はい、なんですか父上」

父「実はな・・・」




瑠衣は「明日の鍛練のメニューか何かだろうか」と汗を拭いながら疾風の話に耳を傾けた。

だが、疾風の口から発せられた言葉は思いもよらない事だった。




「実は・・・この道場を売る事になってしまったんだ ・・・」

「・・・・・・は? 冗談でしょう?」

父「いや、わしは本気だ! 昨日ちょっと酔った勢いで馬券に全財産注ぎ込んでしまったのだ!」



その一言でその場の空気が凍りついた。



「・・・それは、真ですか? 父上・・・;;」

父「うむ」

「・・・父上、私が明日から風林館高校へ転校する事をお忘れですか? 制服だってまだなんですよ? 馬券で全財産注ぎ込むなんて何をお考えなんですか?」

父「うむ!すまん!」

「威張って言う事ではないでしょう!!!? ・・・もう付き合いきれません!父上、私は本日をもって独立させていただきます!」

父「な、なにっ!?;;」



瑠衣は怒りから握りしめた手をわなわなと震わせた。



「今から荷造りをして参ります。今までお世話になりました。ここまで立派に育つことができたのは父上のお陰です。ありがとうございました!」

父「ま、待て瑠衣!そんないきなり独立して、家はどうするつもりだ!?;;」

「学校でクラスメイトに頼んでみるので問題ありません」

父「だ、だが、世の中には瑠衣のような可愛い娘をたぶらかすような輩がだな・・・;;」

「父上、いい加減子離れしてはいかがです?」

父「イヤだイヤだ!! 可愛い娘を他の輩にやりたくなーい!」



普段の威厳は何処へやら、疾風は駄々っ子のように 瑠衣にすがりついた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ