年中無休で変態日和!
□part.1
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【草薙道場】
此処は草薙道場。
中からは男と女の掛け声や竹刀同士のぶつかる音が聞こえてくる。
「はっ!」
父「とぉっ!」
この草薙道場主である疾風と、その娘である瑠衣は毎日のように厳しい鍛練を続けている。
今日もいつも通り鍛練を続けていたが・・・
父「・・・瑠衣、少し話があるんだがいいか?」
「? はい、なんですか父上」
父「実はな・・・」
瑠衣は「明日の鍛練のメニューか何かだろうか」と汗を拭いながら疾風の話に耳を傾けた。
だが、疾風の口から発せられた言葉は思いもよらない事だった。
「実は・・・この道場を売る事になってしまったんだ ・・・」
「・・・・・・は? 冗談でしょう?」
父「いや、わしは本気だ! 昨日ちょっと酔った勢いで馬券に全財産注ぎ込んでしまったのだ!」
その一言でその場の空気が凍りついた。
「・・・それは、真ですか? 父上・・・;;」
父「うむ」
「・・・父上、私が明日から風林館高校へ転校する事をお忘れですか? 制服だってまだなんですよ? 馬券で全財産注ぎ込むなんて何をお考えなんですか?」
父「うむ!すまん!」
「威張って言う事ではないでしょう!!!? ・・・もう付き合いきれません!父上、私は本日をもって独立させていただきます!」
父「な、なにっ!?;;」
瑠衣は怒りから握りしめた手をわなわなと震わせた。
「今から荷造りをして参ります。今までお世話になりました。ここまで立派に育つことができたのは父上のお陰です。ありがとうございました!」
父「ま、待て瑠衣!そんないきなり独立して、家はどうするつもりだ!?;;」
「学校でクラスメイトに頼んでみるので問題ありません」
父「だ、だが、世の中には瑠衣のような可愛い娘をたぶらかすような輩がだな・・・;;」
「父上、いい加減子離れしてはいかがです?」
父「イヤだイヤだ!! 可愛い娘を他の輩にやりたくなーい!」
普段の威厳は何処へやら、疾風は駄々っ子のように 瑠衣にすがりついた。
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