Drama

□12cm
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フットサルの試合に向けて練習をしていた私たちだったが



日々繰り返される夜野先生のスパルタレッスンにより体力の限界が来ていた





『もう無理ー!休憩!誰がなんと言おうと休憩!!』



桜「ちょっと!まだ練習終わってないわよ!」



『飲み物買ってくるだけなら良いでしょ!終わったらすぐ戻るから!』



桜「まったく、早く戻ってきなさいよ!」



『もちろーん!』





とか言ってるけど全然戻るつもりはない


こんだけ毎日頑張ってるんだから今日くらい良いでしょ!




サボる気満々で教室に向かうと先客がいた



『あら、クビにされた山田くんじゃないですか』



山田「......俺はクビにされたんじゃなくて辞退してやったんだよ。お前こそ何してんだよ」



『いやさー、こんだけ毎日頑張ってんだからさ!今日くらい休んで良くない?みたいな。自分への有給』



山田「サボってんだな」



『.......はい』



山田「まぁ、いいんじゃねーの」



『山田くんは何してるの?』



山田「別に。携帯いじってるだけ」



『ふーん』




自分の席に座り携帯を開く


昼寝でもしたいけど眠気も来ないので


私も携帯をいじり始めた




しばらくお互い無言で携帯をいじってると


私はある記事を見つけた



そしてその記事に書かれてることを検証したくなりおもむろに席から立ち上がった




『えーっと、私が163cmだから.......このくらい?いや、このくらいか?』



山田「なにしてんの」



『今ネットで見つけたんだけどさ、キスしやすい身長差って12cmなんだって。だからこのくらいの人なのかなーと』




自分の片手を上にあげおおよそ12cmかなと思う場所で止めてみる



12cmも上の人ってやっぱり結構高くなるな




『12cmって結構身長差あるよね。本当にしやすいのかな?』



山田「試してみりゃいいじゃん」



『試せるような人がいたらねー』






ガタッと音がしたかと思うと席を立った山田くんがこっちへやってきた




私の手の前に立つけど少しだけ山田くんの方が大きい






『山田くんの方が少し大きいねー』



山田「お前これ間違ってると思うよ」



『え、大体これくらいじゃ』




私の話を遮るように山田くんが私の頬に触れたかと思うと




気付いた頃には唇に暖かい感触




片手を高く上げてる私にキスしてる山田くん



傍から見ると全然意味わかんないし異様な光景だろうなと思う






『っ.......ち、ちょっと!なんで、き、きす....』



山田「俺175cm」



『え、175cm.....?ってことは私と.......ちょうど.......12、cm差.....?嘘でしょ?』



山田「もう1回確認するか?」



『へ?』






私の返答を待たずして再び山田くんの唇が私に触れる






『っ.......ねぇ!返事してないじゃん!はいとかいいえとか言ってないじゃん!』



山田「お前の顔にはいって書いてたぞ」



『書いてない!!!!』




山田「.....まぁ、確かにキスしやすかったかもな」





突然キスされた挙げ句目の前でそんなことを言われて



私の真っ赤な顔はさらに真っ赤になっていく







飲み物買ってこよーと言いながら教室を出て行った山田くんの




耳も赤かったのは気のせいだろうか

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